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その高いクオリティに心ときめかせた会員誌 「EXTENSION」。
懐かしのバックナンバーに再会。

引き込まれたくて止まない世界観に、大人ごころがまた、満たされる。

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 2008年8月 

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イノキの闘魂で戦う食卓

ブラジルでは、性欲と食欲は平等である。食事するように愛しあい、愛しあうように食事する。男と女と胃袋にだけ、人権がある。
レストランに入れば、胃袋はたちまちデス・マッチだ。ショップ(生ビール)片手に迎え撃つのは、鶏、豚、牛肉が延々と続き、
クライマックスのクッピン(コブ牛のコブの部分)に至る肉料理シュラスコ。40種類以上に分けられた牛の各部を切り取ったまま
1メートルもある大串に刺して焼き、その巨大な肉塊が入れ替わり立ち替わり目の前に現れる。「ポウコ、ポウコ(少し)」という
言葉は無視され、山刀のようなナイフで更にそぎ落とされるゾウリのような肉。我々の胃袋は、5種類目の肉でギブ・アップした。
料金は三人前しめて6,000円。ブラジルの食事は、イノキの闘魂を必要とする。


 

2008.08.28 19:08:03

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ブラジルは眠らない

南半球。南緯22度5分リオ・デ・ジャネイロ、午前1時。レブロン、イパネマ、コパカパーナとギャザーの入ったスカートのように妖艶に湾曲して続く海岸。白い砂浜を黄金色に染めて、大きな月が輝く。沖に立った白い波涛が、やがてサンバのリズムを刻む潮騒となって耳を打つ。昼間の喧騒の名残が、小さな砂丘の陰にまだ暑く潜み、カーニバルを舞った香り立つ女たちは、逞しいカリオカ(リオの男)の腕に掬われる。

「ボン・・・・」「ボーア・・・・」

彼らの吐息を、打ち寄せる波音が隠す。海も、波も、砂浜も、月明りも、パイネーラの並木が作る暗闇も、なにもかもがセクシーになるリオの夜。たちこめた大気を呼吸するほどに、夜も悩みも深まる。開け放ったホテルの窓から、獣たちの囁きが忍びこむ。・・・・・・・・・・・・・・・ブラジルは眠らない。


 

2008.08.21 10:26:07

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無窮の時を流れる大アマゾン。休みなく降り注ぐ太陽の光り。地上最大のキャノピー(緑の大海原)アマゾンは、地上に生命が生まれたプロセスを今も繰り返しつづけている。たとえ天文学的な債務を抱えてはいても、ブラジルは、地球の酸素の4分の1を供給し、全土から金銀とあらゆる種類の宝石が産出される。地上で最も豊かな大地と自然を抱えた国なのである。

僕達は、歴史と様式美の国イギリスから一転、サンバとスーパーネイチャーの国ブラジルへ。ドギモを抜かれたEXTENSION隊のブラジル賛歌を聞け!


 

2008.08.14 10:42:52

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Wet&Coldなイギリスから、情熱の国ブラジルへExtension!


 

2008.08.14 10:38:06

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ハイドパークに夕暮れが近付いていた。公園に入ると、スピーカーズコーナーでひとりのピエロが数少ない観客を集めて帽子を回していた。キャサリンは、その傍らをとおって公園にはいった。恋人と別れたばかりだった。死ぬ決意をしていた。公園内の他に出ると岸辺に淡い黄色の水仙が咲いていた。人通りは途絶えていた。木立を抜けて風が拭き、水仙の黄色の花が揺れた。池にさざなみが立ち、水面に映っていた対岸の林が揺れて崩れた。

「ああ、私死ぬんだわ」キャサリンは小さく囁いた。「本当ですか?」突然、背後から声がした。驚いて振り返ると、先程のピエロが立っていた。着替えてはいたが、メイクはそのままだった。大きく描いた赤い唇が笑っていた。「本当よ。でも、あなたには関係ないわ」「私も時には死にたくなることがある。本気でそう思ったときのために、いつもこれをひとつ持っているんです。今日が、そんな気分なんです。」ピエロは懐から大事そうに小さな紙切れをひとつ取り出した。「ひとつしかないんですが、もし必要ならあげましょうか?」そういうと、ピエロは白い粉の入った小さな紙の包みをキャサリンに差し出した。思わずキャサリンは後退りした。

「どうしたんです?いらないんですか?」 「だ、だってそれを頂くと、あなたの分がなくなるわ」「じゃ、こうしましょう」 ピエロは微笑みを浮かべたまま人気の途絶えた道の傍らに腰を下ろした。そして手に持っていた古びたトランクを開け、半分の飲みかけの赤ワインのボトルとグラスを二つ取り出した。トランクの蓋の上にグラスを置くと赤いワインを満たした。次に紙包みを開き、中の白い粉を片方のグラスにいれた。そして、クルクルクルと二つのグラスを目にも留まらぬ速さで回した。どちらのグラスに薬を入れたのか、誰にも分からなくなってきた。

「さ、飲みましょう」ピエロにそういわれて、キャサリンはまた後退りした。「そうしたんです?これは楽な薬ですよ。あっという間だ。さ、どちらにしますか?」キャサリンはもう一歩後退りした。「じゃあ、僕が先に選びますよ」ピエロは片方のグラスを手に取るとグッと飲み干した。途端にピエロは喉をかきむしって苦しみ始め、数秒で動かなくなった。キャサリンは悲鳴を上げ、公園内のポリス・ボックスに走った。「ひ、人が死にました!」警官とともにその場に戻るまではほんの数分もかからなかった。「どこですか?」警官が尋ねた。「ここよ!」キャサリンはふたりで座っていた芝生を指差した。しかし・・・・・・そこには誰もいなかった。警官の顔には騙された腹立ちが浮かんだ。「お嬢さん、こんな冗談はもうナシですよ」警官は厳しい目でそういうと立ち去った。ひとり残されたキャサリンは芝生に座り込んだ。と、その芝生に埋もれるように置かれたワイングラスがひとつ見えた。グラスの下には何か書かれた一枚の紙・・・・。それにはこう書かれていた。

「FORGIVE AND FORGET!」(許してあげなさい、そしてわすれなさい)

キャサリンは暫くそれを見詰め、やがて小さな声で「THANKS」(ありがとう)と呟いた。そして残されたグラスにそっとキスすると、そのグラスを岸辺に咲く黄水仙の茂みの間に沈めた。「望みなき愛」−それが、黄水仙の言葉だった。


 

2008.08.07 11:21:35

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