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サイゾー株式調査隊

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株本を書いているタレントの投資テクニックとは?“投資通”北野誠いわく「株は空売りにあり」

株の本を出しているからといって、タレントが株をやっているとは限らないというのは、本稿前編を読めばわかってもらえただろう。そんな中、ひときわ異彩を放っていた本が、タレント・北野誠さんと株式評論家・山本伸さんとの対談をまとめた『60分でわかる株のツボ』(KKベストブック/2004年刊)だ。
通常の投資系タレント本と違い、同書では北野誠が第一線で活躍する株式評論家とがっぷり四つに組んで「オイルマネー」から「ポートフォリオ」までを語り倒しており、そのさまはタレント本の域を超えている。
そんなわけで、今回は“芸能界一の投資通”ともいっていい北野誠さんを直撃。テレビ、ラジオで多くのレギュラー番組を持つという多忙の中、どうやって相場観を養っているのか、ご本人に存分に語ってもらおう。

そもそも、株をやり始めたきっかけは?

北野誠

板東英二さんから「やってみ。株、上がるっ」って言われて、僕がやり始めたのがバブル絶頂期の1988年。その後、バブル崩壊で嫌になって、株をやっていない時期はありますが、株歴は長いですよ。

本によれば、「寝る前には必ず『会社四季報』を読んでいる」とか、「新幹線でバッグを忘れたのに『会社四季報』はしっかり抱えていた」なんて書いてありますね。

北野誠

最近は、『会社四季報』は、それほど読んでないけどね。今は、全然違うやり方してますわ。

今は、どんな投資スタイルなんですか?

北野誠

まず、信用取引。空売りをやってます。現物だけだと、ヘッジをかけられないでしょ。去年から今年にかけての下げ相場だと、空売りをやらないと勝てないじゃないですか。今の相場はほとんどの人が損していると思いますが、僕はこの2カ月を除けば、去年からずっと勝ってます。僕は、「株は空売りにあり」だと思ってますから。

どういうポイントで売るんですか?

北野誠

たとえば、新日鉄の場合、去年の後半から今年初頭にかけて600円から700円の間をうろうろしていましたが、2月に600円を割り込んで、500円台に行ってしまった。こうなると、あとは下落相場ですよね。基本はトレンドについてゆく。下降相場であれば、売りでついてゆくわけです。上昇相場であれば、もちろん買ってゆきますよ。

ということは、チャート分析がメインなんですね。

北野誠

そうです。ファンダメンタルズは、あまり重視していないです。ファンダメンタルズやニュースをもとにして株を買うと、高値掴みしやすいんですよ。また、去年のサブプライム問題以降、ファンダメンタルズ分析をすれば、値ごろな株なんてナンボでもあるんです。PBR(=株価純資産倍率)が1倍切っている銘柄なんて、東証1部の半分もあるわけですから。PBR1倍以下ということは、時価総額が会社が保有している資産の評価額より低いということで、例えばPBR0.5倍なんていったら、1万円の入っている財布が5000円で売られているようなもの。常識では考えられないわけですよ。それでも、なお株価が下がっていっているわけです。だから、今の相場は理屈じゃない。ファンダメンタルズ分析をしたって儲からないわけですから、あとはチャート分析しかなくなるわけです。日経平均の週足チャートを見ると、去年の8月ぐらいから移動平均線がデッドクロスしていて、下方トレンドに入ったわけですから、空売りしか儲からなくなっているんですよ。このことに僕は、途中から気付いたんです。

信用取引がメインということですが、現物株は買ってないんですか?

北野誠

現物は持ってないです。買うときも信用買い。信用だと現物の3倍買えるじゃないですか。信用取引は、現物株を担保にすることもできますが、あれはヤバいね。ライブドアショックのときに、ライブドア株を担保に信用でまたライブドア株を買っていて、えらいことになった人が大勢いたでしょ。

株を本格的にやっているのは、森本毅郎さんくらい

いつ頃から、今の方法に目覚めたんですか?

北野誠

ライブドアショックの頃ですよ。あれを境に、新興市場はずーっと下げ続けて、いくらナンピンしてもやられるわけです。

チャートはどうやって見ますか?

北野誠

単純に言うと、まず、2つの移動平均線がゴールデンクロスしたときなんかは買いですよね。25日移動平均線から乖離率がマイナス10〜15%ぐらいまで下げたら、いったん止まるとか、ある程度の目安が自分の中にあるわけですよ。ほかにも、騰落レシオも信用買い残も見ますけどね。

芸能界で、そのレベルで株の話のできる人って、ほかにいますか?

北野誠

『噂の!東京マガジン』で共演している森本毅郎さんは株やってますけど、だんだん周りでも株をやっている人は減ってますね。そういえば、この間、地場証券の営業課長がやたら電話かけてきて、「IPO銘柄を買ってください」なんて言ってきたけど、昔、IPOなんてめったに買えるものじゃなかったからね。それぐらい、株を買おうというお客さんも減っているということだろうね。

今のポジションを教えていただけないですか?

北野誠

ああ、今、個別銘柄は売買してないんですよ。最近、やっているのは、日経平均先物ですんで。

それは、すごいですね。

北野誠

もう2年近くやってますが、忙しいときは先物がベストなんですよ。1種類だけチェックしていればいいから、チャートも読みやすい。株って、たくさん銘柄を抱えていると、チェックするのがしんどくなるでしょ? だったら、先物だけやっていればいいかと思って。

でも、先物だと、レバレッジがかかっている分、怖いですよね。

北野誠

ラージは、さすがに怖いから、日経平均先物ミニです。ラージは、結構、やられると大きいですから。

芸能界で日経平均先物をやっている人って、北野さん以外にいますか?

北野誠

僕の周りにはいないですね(笑)。ただ、先物はうまくいくときはすごいけど、やられるときもすごいですからね。ニューヨークがドーンと下げて、日経平均が大幅にギャップダウンするとビックリしますよ。一晩で50万損する恐怖は、先物を始めて初めて知りました(笑)。だから、買って、その日に手仕舞うことも多いですよ。

父親が大損した「金」を買って大儲け !?

パフォーマンスのほうは、どうですか?

北野誠

ここ数年で大まかに言うと、ずっと儲けていたんだけど、ここ2カ月でだいぶ負けたという感じですかね。一昨年はだいぶ儲かったんだけれど、去年の中盤から溶かしちゃって、日経平均が思いっきり下げて、みんなが恐怖に駆られた去年の終盤に先物を買いに行って、ちょっと取り戻した。ただ、今の相場はボラティリティーが大きすぎて、さすがにしんどいわ(笑)。ただ、僕は株だけじゃなくて、ほかにもいろいろやってますから。

といいますと?

北野誠

為替は当然やるし、ガソリンの先物もやっているし、金も持ってます。ユーロは今150円台ですけど、135円で買ってますし、金は今330万円ぐらいですけど、140万で買ってます。金なんかもっと買っておけば、今頃、大金持ちだったんですけどね。

金なんて、以前からよく目をつけていましたね。

北野誠

昔、バブルのときに親父が金を買って大損しちゃったんですけど、そのときの値段を覚えていたんですね。500万ナンボ。それが4年前に120万円台になったと聞いて、「これは安い!」と思って、板、買いに行きましたわ。周りにも、「金、買え」って勧めといたんですけど、1人だけ買ったやつがおって、大儲けさせてあげましたわ(笑)。ユーロは、新聞で「石油の決済通貨として、ユーロが使われる」というニュースを聞いて、「これからはユーロや!」って思ったんですよ。

よく、そんな記事を読んでましたね。

北野誠

いやいや、儲けようと思えば、新聞も面白いからね。これからもっと株が下がったら、買おうと思っているのは、ロシアのルーブルですよ。ロシアは原油の決済を自国通貨でやろうって偉そうに言ってるんですよ。ユーロのときと同じで、これからドーンといく可能性がありますよ。

北野さんの投資談義はますますヒートアップするが、完全に素人の域を超えているのがおわかりいただけたと思う。

ちなみに今回のインタビューが行われた3月13日、日経平均の始値は1万2741円だったが、北野さんは「日経平均は1万2000円を割る」と予言していた。実際、すぐに予言は的中。日経平均はその4日後の17日に1万2000円を割り込み、1万1000円台に突入、株式市場を恐怖のドン底に陥れていた。「芸能界の投資王」、恐るべしである。

北野 誠 (きたの・まこと)

1959年1月25日生まれ。現在、『噂の東京マガジン』(TBS)や『やじうまプラス』(テレビ朝日)にレギュラー出演中。新聞・雑誌などで投資に関する連載も抱える。4月20日には、大阪・御堂会館大ホールにて、自身がプロデュースするお笑いイベント『誠魂vol.1』を開催。

『60分でわかる株のツボ 株を始めて3年以内の人へ』
(著・北野誠&山本伸/ベストブック/税込1365円)

タレント・北野誠と株式評論家の山本伸氏が、株で財産を殖やす秘訣を伝授。相場のテーマのつかみ方、株で儲ける投資家の鉄則、注目の業種・企業選びのコツ、おいしい情報のつかみ方などを対談形式で紹介する。


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