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サイゾー株式調査隊

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株本を書いているタレントの投資テクニックとは?そもそも、ホントに株をやってるの?

株式投資に関する本は星の数ほどあれど、単にノウハウを教えるだけのような企画では、読者はなかなか手に取ってくれない。そんな中で重宝されるのが、タレントだ。著名で親近感のあるタレントが株式投資について語っていれば、小難しそうな投資本よりも断然手に取りたくなってしまう。では、それらの中で開陳されたタレントたちの投資実績やテクニックとは、いかほどのものなのか? そもそも、本当に彼らは今でも株をやっているのか? そのあたりを調査してみた。

まずは、芸能界の大御所2人の株本を発見! 『金はこうして儲けるんや』(主婦と生活社/1986年刊)と大きく出たのは、元プロ野球選手の板東英二。板東の株の原体験は、当時プロ野球史上最高だった入団契約金2000万円を親が勝手に株でスッてしまい、3分の1にしてしまったという悲惨なものだった。ところが、自分で株をやってみると、すっかりハマッてしまったそう。毎日『会社四季報』を熟読して、遠征先でも朝から証券会社の株価ボードを眺めたり、練習中でも短波ラジオの株番組を聴くなど、かなりの熱の入れようだった。その甲斐あってか、半年で2000万円も儲けてしまった。だが、それもつかの間、プロ野球引退後、実業家として再出発するも1億4000万円もの負債を背負うことに……しかし、それもタレント業で返済したという。結局、働くのがいちばんという結論 !?

芸能界の中でも、金の臭いをプンプンと漂わせる2人。その投資極意は、庶民の参考になるのか?

島田紳助は、00年に『株・不動産 知識ゼロからの金儲け』(幻冬舎)という投資本を出している。意外にも、実践的な投資入門書だ。紳助の知り合いいわく、現金で持つのは1000万円まで。「1000万円で治らん病気は死にますから」というわけで、残りは株と不動産で運用すべしという。紳助が株を始めたのは20歳を過ぎというから、かなりの早熟。20代後半で吉本興業株を同社会長の勧めで購入し、すぐに儲かったが、その後、民営化されたNTT株でお決まりの大損となった。株はトータルでプラスだそうだが、紳助が金儲けで成功できたのは、不動産によるところが大きい。一般人がなかなか手を出しにくい競売物件を安値で落札し、転売しているのだ。多忙にもかかわらず、暇を見つけては裁判所に通い、めぼしい物件をチェック、これぞという物件は下見へと、情報収集に余念がない。「ややこしい占有者」がいる場合もあるが、「お金目当てであれば、交渉でいかようにもなる」そうだ。また、紳助と板東に共通しているのは、「子育ても投資」という考え方。だが、その内容は大きく違う。紳助は、次女が海外留学する際、「甲(次女)が成功した(年収150万ドル以上)あかつきには、年間30万ドルを7年間にわたってお支払いいたします」と誓約書を書かせるなど計算高いのに対し、板東は「子供でどうやって儲けるか」とぶち上げながら、最終的には「カエルの子はカエル。(略)それが浮世の定めです。(略)あかんと思たら早いうちに次の賭けに向かいなさい」と、かなりアバウト。これは2人の芸風の違いか。

損をすると言いながら、株の魅力を語る2人

さて、この2人の投資本が「ゼニこそ命」というバブル期の脂ぎったオヤジ臭が漂う(苦笑)のに対し、「株は知的」というイメージを前面に打ち出したのが、ミュージシャンのサンプラザ中野(現サンプラザ中野くん)だ。著書『株本』(日本経済新聞社/03年刊)は、マネックス証券の松本大社長との対談形式で、すでに株式投資経験者である中野が、さらに株の魅力を知っていくという内容。出版されたのが、日経平均がバブル後最安値である7607円から急回復していった時期に当たり、新しく株式市場に押し寄せた初心者投資家たちの多くが、同書を買い求めたようだ。ところが、今、読み直してみると、いささか疑問も生じる。冒頭に出てくるのは、「株は損する」という話なのだ。

松本:中野さんは200万円から始めて、いまはどのくらい?
中野:口座に入れたお金は計250万円、いまは150万円くらいですね。
松本:250分の150だから、およそ60%。4割、損をしたわけだ。
中野:(うつむいて)はい……。
松本:ファンドマネジャーとか、機関投資家とか呼ばれる、プロの投資家がいますよね。日経新聞の相場欄には投資信託の基準価格が出てるんですが、その平均をとると、だいたい6000円くらいです。スタート時の投資元本は1万円ですから、プロの投資家の運用成績も、ほとんど中野さんと変わらないんですよ。
中野 おおー!

では、なぜ株をやるのかという説明もなく、株投資の魅力を啓蒙すべく対談は続く。ただし、中野は、その後、株式市場の活況とともに株タレントとして注目を浴び、一時はメディアに出ずっぱりの状況に。株の損失以上に稼いだに違いない。

眞鍋かをりは、株本で「知的タレント路線」が定着 !?

女性タレントだって、負けてはいない。ここ数年の株ブームに乗じ、また知的イメージを獲得するためなのか、多くの女性タレントが投資本を出している。

先鞭をつけたのは、眞鍋かをり。『眞鍋かをりと松本大のいちばんやさしい株のはなし』(日本経済新聞社)を04年7月に刊行している。「父親に『お前には株はムリ!』って言われていたんです(笑)」という眞鍋が、こちらも松本社長の講義を受けながら、次第に株に興味を示してゆくという内容だ。

眞鍋:いざ株式投資を始めようとすると、専門用語がいっぱい出てきて、難しかったりするじゃないですか。それってやっぱり、ちゃんと勉強して、よく分かってからじゃないと、始めちゃダメですか?
松本:いや、専門用語を知っているかどうかは、関係ないでしょう。
眞鍋:だって私、まず「ダウ」とか、いきなり分からないんですよ(笑)。
松本:僕もよく分かんないです!
眞鍋:えー本当ですか!?

いくらなんでも、東大法学部卒、ゴールドマン・サックス証券史上最年少パートナーを経て、ネット証券会社を立ち上げたという華々しい経歴の持ち主が、「ダウ」を知らないわけはないだろう。

ともかく、松本社長の講義を聞き終えた眞鍋は、「私も株主になって、株主総会に参加したい」と発言するまでに成長する。

同書が好評を得たためか、眞鍋はその後、翌年『いちばんやさしい株のはなし2』(同)を、さらに07年『いちばんやさしいネット株』(同)を刊行。すっかり株タレントとして認知されるようになった眞鍋だが、『いちばんやさしいネット株』の冒頭で、衝撃の事実が明らかとなった。

美女三人と株や投資のプロが語り合う形式の入門書。タレント側は聞き役に徹していて、投資テクニックを披露するというレベルではなかった。

松本:そういえば眞鍋さん、ついに株を買ったんですってね。
眞鍋:そうなんですよ。おかげさまでようやく投資家としての一歩を踏み出すことができました!
松本:それはそれは、おめでとうございます!……って、お祝いするようなことでもないか(笑)。ともかくも「株の本を2冊も出しているのに、実は株を買っていなかった事件」が解決したわけですね。

いきなりズッコケてしまったが、タレントなんてそんなものなのか……。当然ながら、浮上してくるのは、ほかにも株本を出しているタレントの「株“未”取引疑惑」だ。

そこで調査隊は疑惑の真偽をタレント本人に確かめるべく、株本を出しているタレントに取材依頼を敢行した。

サトエリ、矢沢心は、本当に株取引をやっているのか?

まず『佐藤江梨子と浅井秀一のいちばんやさしいマネープラン』(日本経済新聞社/05年11月刊)を出している佐藤江梨子の事務所を直撃すると……。

「株の本は出していますが、紙面で佐藤は株について話しているだけなんですよ。自分で株をやっているわけじゃないんで、株の取材はふさわしくないかと思いますが……」

同書をよく読んでみると、確かに株をやっているとは書かれていない。

佐藤:従業員主義社会のほうが、なんとなく穏やかなイメージがあります。でもいまは、株主のほうが大事にされるんですね。
浅井:それはちょっとイヤですか?
佐藤:うーん、やっぱりイヤかも(笑)。
浅井:だったら、佐藤さんも株主になればいいんですよ。(中略)そんな気持ちで投資をするといいんじゃないかな。
佐藤:確かにそうかも。
浅井:(中略)人間と同じで、お金にもきちんと役割を与えて働いてもらう。それが本当の資産運用であり、マネープランなんですよ。
佐藤:ハイ、わかりました!がんばって勉強します!

なるほどサトエリは、ファイナンシャルプランナーの懸命の投資勧誘をうまく受け流して(?)いた。同書の最後のページでも「ハイ! 私ももっとお金のことを考えてみようと思います!」と、元気だけよくて投資の確約はしていなかった。

さて「株“未”取引疑惑」を次に検証するのは、『矢沢心と臼田琢美の初めての株ココロ』(ソフトバンククリエイティブ/06年9月刊)を出している矢沢心。

臼田:そうそう。まずは株をやってみないと何も始まらないからね。貯めよう、増やそう、儲けようじゃなくて、まずは勉強のためにやってみること。
矢沢:わかりました。私もチャレンジしてみますね!

ここまで宣言していて、未取引だったら、タダじゃおかないぞ!と息巻いて、事務所を直撃すると、

「ええ、やってますよ。ネット証券に口座を作って、自動ナントカってのをやっているんじゃないですか。投資成績のほうは、全然だって言ってますけど。ただ、取材はお受けしたいのですが、ドラマ『斉藤さん』の撮影で忙しくて、余裕がない状態です。ごめんなさい」
とのこと。残念ながら、「自動ナントカ」は利益を生んでくれないようだが、株をやっていたことに安心しました。

一流スポーツ選手は、投資実績も一流!

最後に紹介するのは、頭脳派のハードル選手・為末大が著した『インベストメント ハードラー』(講談社/06年7月刊)。

同書では、為末選手が子どもの頃、中古ゲームソフトを安く売っている店で買って、それより高く買ってくれる店で売り、お小遣いを稼いでいたという地アタマの良さを披露している。本格的に投資に目覚めたのは、ファンド運用会社・アジアパートナーシップファンド(APF)の此下益司会長との出会いがきっかけだった。為末選手は、此下会長の指導のもと、通貨危機から立ち直りつつあったタイで「2倍、3倍になる投資を、体感したい」と30万円を不動産や株式に投資し、たった2年で2000万円にしてしまったのだ。

ぜひともその投資手腕を見習いたいと取材依頼をしたが、エージェントいわく「タイへの投資は今もやっていますが、本人のスポンサーがファンドなので、他の金融関係がスポンサーをしているサイトへの出演は難しい」とのこと。

ちなみに、「週刊新潮」(08年2月14日号)に為末選手をスポンサードしているAPFについての記事が掲載されていた。記事によれば、防衛庁問題で疑惑の渦中にある久間章生元防衛相がAPFの親会社の株主であるとか、タイ金融当局に届け出ている株主名簿がいい加減だとか、日本の金融当局に届け出ていないことなどを挙げて「疑惑の投資ファンド」とまで書かれていた。為末選手の『インベストメント ハードラー』に「私はお金とは『現代の刀』だと思っています。抜くと、たしかに危険がある」とあっただけに気になる記事であった。

さて、ここまで読むと、「単なる株本紹介かい!」というツッコミをもらいそうだが、調査隊はこのままでは終わらない。ついに、「芸能界一の投資王」ともいえる有名タレントを特定し、取材をすることに成功した。そのタレントの投資テクニックが、いよいよ明らかになる!? 続きは、3月27日公開予定。乞うご期待。


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