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サイゾー株式調査隊

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 2008年8月 

2008.08.17

株式市場が盛り上がる「ポスト福田」って誰?

依然、支持率低迷にあえぐ福田政権。内閣改造も終わり、来るべき解散総選挙やポスト福田の話題に注目が移るなど、政治の世界も騒がしくなってきた。そんな揺れ動く政治動向と株は切っても切れない関係にあるはず。そこで今回は、今後の政局を占いつつ、株式市場が歓迎すべき次期首相を探してみた。重苦しい市場の空気を拭いさってくれるのは誰だ?

まずは、株式評論家の大岩川源太氏が、政治と株の関係について解説する。
「株式市場は政治の影響を大きく受けます。小泉政権の時代は、若い企業を育てるという国策があったために株式市場でもIPO相場が活況でした。小泉政権が終わってからは、新興市場の低迷が続いていますよね。福田政権は、“小泉構造改革路線の否定”という側面が強く感じられます。となると、新興企業の株はダメで、逆に従来型の古い会社のほうが伸びやすい。実際、新興銘柄の動向を計るジャスダック指数は、年初来安値を更新し続けている一方で、日本を代表する銘柄の指数である日経平均の落ち込みは、比較的軽微といえます。業界シェアが高い大企業は、価格決定権も握っていますから、原油高、資源高が進むインフレ経済でも価格転嫁を進めやすく有利なんです。

小泉政権時とは一転、新興市場には手厳しいスタンスといわれる福田内閣。そんな内閣が打ち出す政策によって注目される銘柄とは?

また、福田政権の個別の政策で見てみると、先日発表した『5つの安心プラン』で医療人材の充実化をする方針を打ち出しています。個別銘柄でそれに対応している企業を調べてみると、東証マザーズ上場で介護、医療関係の求職サイトを運営するエス・エム・エスという会社があります。このように、株式投資をする上では、政策と密接な関係にある企業の株をいつもチェックしておく必要があります」

いわゆる「国策に売りなし」ということである。

キーマンは「増税3人衆」

さて、株はときに政治家個人とも密接なつながりがある場合もある。かつては政治家個人と密接な関係のある銘柄は「マル政」と呼ばれ、選挙シーズンなど政治の動きと呼応して乱高下していた。最近も洞爺湖サミット開催と合わせて、某電池メーカーの株価が半年のうちに8倍にも高騰し話題になっていたが、特に有望な技術を持っているわけでもなく、市場関係者の間では自民党の有力派閥のマル政ではないかという噂が流れていたという。

山崎氏は、自民党でいえば、中川秀直氏が株式市場に追い風を吹かせる人物と見る。一方で、政権交代における経済政策の根本的見直しこそ、今の市場にはカンフル剤になるとの見方も。

そんな中で、株式市場にもっとも影響力のある政治家は、もちろん首相であり、首相が選ぶ閣僚の影響力も当然大きい。先ごろ福田首相は、首相就任以来、初めて本格的な内閣改造を行ったが、これは株式市場にはどんな影響があるだろうか。経済評論家・山崎元氏は、こう解説する。
「今回の内閣改造で特徴的だったのは、財政再建重視派が重用されたということ。従来、財政再建について積極的に発言してきた伊吹文明、与謝野馨、谷垣禎一らがそれぞれ財務大臣、経済財政大臣、国土交通大臣に就任しました。

これによって、何が起きるかというと、消費税増税を中心とした増税策で短期間のうちに財政再建を達成しようという動きが強まります。私は先の3人を『増税3人衆』と呼んでいますが、特に伊吹さんは自民党幹事長から財務大臣という、世が世なら総理大臣になるコースを歩んでいる。ところが、今の伊吹さんが総理大臣になれると思っている人は少ないでしょう。では、どうしてそのような人事が行われたのか。福田首相は、大蔵省出身の伊吹さんを財務大臣に据えることで消費税の引き上げに対して真剣であることを霞ヶ関に対してアピールする狙いがあったのではないかと思います。

不況の足音が聞こえてきたこともあり、政府も景気対策を打ち出す方針ですが、単なる業界対策、バラマキで終わるなら、株式市場への影響は軽微でしょう。むしろ、勢ぞろいした増税派の顔ぶれが株式市場にとっては重石になってくると思います」

市場にとって都合のいい政治家とは?

また、前出の大岩川氏もこう話す。
「麻生太郎幹事長誕生ということで、まんだらけなどのアニメ関連株が高騰しましたが、閣僚の顔ぶれを見る限り、株式市場全体にとってはあまり期待できません。景気対策を打ち出すとは言ってますが、ちょっと景気が良くなったら、すぐに消費税増税などの財政再建路線にシフトをするのではないかと警戒しています。アメリカなどは、減税などを中心に1500億ドル(約15兆円)の景気対策を実施しているのに、今、与党が検討している景気対策はせいぜい1兆円規模。はっきり言って期待はできず、日本株も買いやすい状況にはありません。となると、環境関連株のようなテーマ性の強い材料株の値動きに乗ってゆくという投資手法が有効だと思います」

山崎氏と同様、自民党では「中川秀直氏」を推す株式評論家の大岩川源太氏。1958年10月生まれ。投資セミナー「源太塾」主催。10月に徳間書店より『投資カレンダー2009』を刊行予定。

最近、麻生幹事長が「300万円以下の配当などは非課税にすべきだ」との考えを表明し市場関係者の間で話題になっているが、福田改造内閣は本質的に増税による早期の財政再建を目指す人物が主要ポストを占めていることに変わりはない。

ただ、その福田首相も支持率の低迷にあえいでおり、先は長くはないという見方が強い。では、株式市場にとって次の首相として望ましいのは誰か。山崎氏が言う。

「自民党で考えると、株式市場では中川秀直さんがいいという声が大きいと思います。増税に慎重で、まずは財政の無駄を削減することを主張する上げ潮派の代表格ですし、株式市場にとって望ましい経済政策をやってくれると思います。ただ、中川さんはスキャンダルなどの個人的な問題も取りざたされたことがあり、また人望面からも不安が残ります。小泉構造改革路線に近い小池百合子さんを傀儡的な形で担ごうという話もありますが、ちょっと信用ができない。次期首相にもっとも近いとされる麻生さんは、財界寄りだと言われていますが、一貫した経済政策が見えてこないんです。

与党を務めるのが自民党でも民主党でも安定感という意味では大差はないと思うのですが、民主党に政権が渡ったほうが消費税を含めて一から議論を見直すことができるので望ましいと思います。その場合、首相は現実的には小沢一郎さんになると思いますが、小沢さんは健康面に不安があり、また経済政策もバラマキ型に近いものです。では小沢さん以外で有望なのは、実務面の能力を考えて岡田克也さん。岡田さんはイオングループ名誉会長の岡田卓也さんの御曹司ですから、本人がお金に困ることはないので金銭スキャンダルが起こることもなく、さらに面白みがないほどに生真面目な性格もあり、政権運営に安定感があります」

山崎氏は共和党─マケイン歓迎派 !?

大岩川氏はこんな見方だ。
「株式市場にとって最良なのは、小泉構造改革のブレーンだった竹中平蔵さん。現実的には難しいでしょうが、今の首相候補を呼べるような政治家で株価を上げてくれそうな人はいないんです。福田改造内閣は経験豊富なベテラン政治家で占められていますが、株式市場が期待している人は皆無ですから。強いてもう1人挙げれば、中川秀直さんでしょうか。ともかく小泉構造改革路線を復活させるのが重要です。

では、民主党はどうかというと、やはり期待はできません。民主党の支持基盤は、労働組合と低所得者ですから、株式市場にはなかなかお金が回ってこない、そんな政策を打ち出してくる可能性があるのです」

翻って、今年11月にはアメリカで大統領選挙が行われるが、同国は世界経済のエンジンであり、日本の株式市場への影響は大きい。現在、デッドヒートを繰り広げている民主党・オバマ候補と共和党・マケイン候補、日本の株式市場にとってはどちらが望ましいだろう。山崎氏はこう話す。

「世論調査の動向からすると、オバマ優勢という状況は動かしがたい事実です。当然、日本の株式市場でもそれを織り込んでいるので、オバマが勝つことにサプライズがあるとは思えません。マケインが勝利を収めた場合、日本の株式市場にとっては多少のプラス材料になるでしょう。伝統的に日本の経済界は共和党候補を歓迎するからです。クリントン以降の大統領は民主党でも共和党でもそれほど政策的な差が見られないのですが、基本的には共和党政権のほうが自由貿易に寛大で、日本が輸出攻勢をかけてもあまり問題になりにくいということが言えます。また、株式市場やアメリカの資本家にとっては、共和党のほうが法人税や株式市場の規制という面で望ましい政策を打ち出す傾向にあります。さらに日本の政治家は共和党人脈を持った人が多く、共和党政権になったほうがアメリカ政府内における日本の重要度が増すので、日本の株式市場にとってもプラスに働きます」

日本株が大きく伸びていったのは、小泉政権の時代だった。小泉首相は経済政策には強くはなかったとも言われているが、強烈なカリスマ性と持ち前の明るさは経済に活気をもたらしていたのかもしれない。株式市場は真に実行力を持ったリーダーの登場に期待している。

多くの株初心者の方に支持される<松井の良さ>とは?

2008/08/17UP

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