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2008.06.17
前回の「サイゾー株式調査隊」は、オリンピックをひかえて景気が上向きの中国株式市場の動向を探った。今回は、視点を身近に向けて、オリンピックが国内の株式市場の与える影響、さらに開幕まで2カ月となったこの時期から狙える銘柄を調査してみた。しかも、あの五輪代表選手も登場し、金メダル獲得に向けた“秘策”も披露してくれた!
チベット動乱や四川大地震など、混乱の続く中国だが、8月8日の北京オリンピック開幕を目前に控え、その経済効果に注目が集まっている。そこで取り上げたいのは、オリンピック開催で株価の伸びる日本企業だ。
まず、オリンピックは相場全体にどのような影響を与えるのか。相場の世界では、「オリンピックの年はアメリカ大統領選挙の年とも重なっていることから、株高になりやすい。特に開催国の株価は上がる」という経験則が一般に流布しているのだが、本当のところはどうなのだろうか?
アテネ五輪の際にも、前評判通り、値上がりした銘柄があったが、果たして今回は……。
オリンピック開催というと、景気が良さそうではあるが、過去のオリンピック開催年の日経平均の年初から年末までの騰落率は、04年のアテネで+6・5%、00年のシドニーでマイナス27%、96年のアトランタでマイナス3%、92年のバルセロナでマイナス26%と、はっきり言って芳しくない成績だ。
ところが、それ以前、52年のヘルシンキから88年のソウルまでは、日経平均は10回中9回も上昇している。ちなみに下落した1回というのは、東京オリンピックの年だった。こうなると訳がわからない。
ただし、個別銘柄については、オリンピックの影響は大きいようだ。オリンピックの開催期間中は公式スポンサーの広告が目白押しで、企業イメージの大きな向上が期待できる。また、北京は日本との時差が少なく、テレビを視聴するにはもってこい。さらに地デジ移行期間とも重なっており、地デジ対応の薄型テレビには追い風。そして、北京と日本では移動距離も短いため、旅行業界も恩恵を受けるだろう。
アテネオリンピックでの実績は?
そこで、オリンピック開催で業績アップが見込める企業をリストアップし、アテネオリンピックが行われた04年の3月末からオリンピックが閉幕した8月末までの株価推移を調べてみた。ひとつの要因だけで株価が影響を受けるとは考えにくい電気機器などの大型株は、リストから除外している。
●ヤマダ電機(家電販売)+4・2%
●ケーズホールディングス(同)+40・2%
●エディオン(同)+19・9%
●アシックス(スポーツ用品)+32%
●ミズノ(同)+11・6%
●デサント(同)+22・2%
●丸大食品(JOCオフィシャルスポンサー)+13・2%
●クボタ(同)+20・2%
●インテリジェンス(同)+97・8%
●コナミ(同上)+3・3%
10銘柄中、すべてが値上がりし、20%以上高騰した銘柄は半分にも上った。ちなみに同期間の日経平均株価の推移は、マイナス18・5%だった。オリンピック開催年に、関連銘柄を開催数カ月前に仕込んでおくという投資法は、以上のケースで見る限り有効であるようだ。
では、開幕直前の今から買っても遅くない有望なオリンピック銘柄はないものだろうか……。
そこでご登場いただくのは、新聞・雑誌に数多くの連載を持つ株式評論家・北浜流一郎氏。ラジオNIKKEIでの番組収録直後の北浜氏を直撃した。
「うーん、オリンピック相場というのは、オリンピックの前年に終わるというのが定説なんだよねえ。ただ、今年は、年初から3月にかけて株価が暴落しているから、夏場にかけて全体的に盛り上がる可能性はある。米国市場も落ち着いてきて、為替が円安にブレてきた。また、サブプライム問題以降、アメリカは金利を下げて対応していましたが、最近では、金利の引き下げを止め、ドル防衛策を明確に打ち出してきている。ドルが下がらず、円が上がらないということになれば、輸出産業の強い日本にとってはいいこと。現に外国人投資家が日本株を買ってきています。4月は8205億円、5月は1兆1263億円の買い越しになっています。さらに過去のデータでも、6月という月は5年連続上がっている。この10年間でも6月は2回しか下がっていない。8月は『夏枯れ』といって、相場にとってはあまりよくないけれども、今年はオリンピックに向けて資金が流れ込むでしょう」
旅行、電機は定番。ここはあえて……
なるほど、いまからでもオリンピックに向けて、株は期待大。では、どのような業種がオリンピックの恩恵を受けるのか?
「オリンピックによって業績を伸ばすとされる銘柄はいくつもあります。たとえば、観戦のための中国旅行客が増えますから、旅行関連、銘柄としては、『近畿日本ツーリスト』に注目。さらに、テレビ観戦を楽しむ人が増えるので、家電メーカーの株が面白い。銘柄としては、世界的なブランド力を持っている『ソニー』は上昇余力があると見ています。また、放送局では、スポーツ中継に強い『WOWOW』にも注目したい。オリンピックで大量に打たれる広告で業績を伸ばすのは『電通』です。意外な銘柄としては、ドーピング検査製品を販売しているシスメックスという会社が上場しているんですよ。オリンピックで薬物疑惑が出てくるようであれば、面白いことになるかもしれない。
レーザー・レーサー旋風の中、あえて
「敗者」となったミズノを推奨する北浜氏。
この独自の視点が大事のようだ。
日本選手の金メダルが続出ということになれば、みんな気分がよくなってビールの需要が上がるかもしれないし、オリンピック選手のすばらしい肉体に触発されて、スポーツジムに通う人も増えるかもしれない。また、サプリメントを飲んで体質改善に励むことになるかも。こんなことを言っていると、バカバカしいと思われるかもしれないけど、こういうモノの見方は案外、重要なんです。ちなみに『ウコンの力』を売っているのは、ハウス食品です」
さすがの展開力を披露する北浜氏。では、一押しの銘柄は?
「上半期最高のヒット銘柄だったのが、世界新記録続出で話題になった英スピード社製『レーザー・レーサー』の国内で独占販売するスポーツウエアメーカー『ゴールドウイン』。5月に200円ぐらいだったのが、6月12日には539円まで暴騰した。さらにスピードブランドの靴下を販売しているアツギという会社の株まで上がってきた。ただ、上がりすぎた銘柄に飛びつくのは危険。そこで私が注目しているのは、スピード社製の水着にお株を奪われてしまった格好のミズノ。スピード社との比較でイメージが低下し、株価も下降気味ですが、逆に今が底値圏にあると見たほうがいい。ミズノは水着専門メーカーではなく、野球やゴルフなどさまざまなスポーツウェアを扱っています。今の騒動が鎮静化すれば、ミズノの実力が見直されるでしょう。今から買ったとして、オリンピックの開会式あたりに上がっていたら、売る準備をしたほうがいいでしょう」
五輪代表選手の一押しは「東芝」
五輪メダリストにして、株の名人である長塚選手。
そのクレバーさで、北京では金メダルを狙う。
北浜氏に続いて、コメントを寄せてくれたのは、北京オリンピック自転車トラック種目に出場することが決まった長塚智広選手だ。長塚選手といえば、04年のアテネオリンピックの自転車チームスプリントで銀メダルを獲得したほどの実力派のアスリートでありながら、株式投資の腕前もプロ並で、『長塚智広の株の筋トレ』(扶桑社)という著作や「日刊ゲンダイ」で連載も持っている。
「オリンピック銘柄としては、旅行業界もいいのですが、いちばんわかりやすいのは、家電でしょうね。航空関連は、本来、需要が上がるので買いなのですが、今は原油高があるので、今回はパスします」
では、早速、お勧めの銘柄をお願いします!
「まず、有名どころは『松下電器産業』ですが、日足チャートを見てみると、4月後半に窓を開けて、高騰しています。大型株の場合、こういうチャートを作っていると、後々、株価が戻し(下がり)やすいんですよね。これはちょっとパスしたほうがいいかもしれないです。
液晶テレビの代表的銘柄の『シャープ』は、割といいかもしれないですね。最近、株価が低迷しているようですが、下げても1500円ぐらいじゃないかと思います。今の株価が底っぽい印象です。
で、一押しの本命は、『東芝』です。東芝といえば、先頃、ブルーレイディスク勢に負けて、HD DVDから撤退することを表明しましたが、そういう銘柄こそが買いなんです。HD DVDから撤退するといっても、ハードディスクプレイヤーは、結構売れているみたい。HD DVD撤退の報道があったのが2月。そろそろ悪材料出尽くしで株価が伸びてくる段階です。実は、東芝は4月に『日刊ゲンダイ』の連載で紹介したんですけど、上がっちゃっていますね(笑)。ただ、800円中盤ならまだ買っていいと思います。明言はできませんが、おそらく今後は950円を抜けてくると、上値が1100円まで簡単に伸びてくるチャートだと思います。売り時ですが、ニュースで『オリンピックをひかえて、家電が売れています』なんて報じられたころがいいと思います」
なんと“秘策”はスピードレーサー!?
さらに長塚選手は、玄人らしいこんな銘柄も推奨する。
「ちょっと変わったところでは、石油関連も面白いかもしれませんね。北京オリンピックが近づいてくると、中国という国自体が大きく注目を集めます。それに合わせて、投機筋が原油を買ってくる可能性があると僕は思うんですよ。オリンピックが開催されることで、原油の需要が上がるわけではありませんが、中国の圧倒的な消費パワーが宣伝されることで、原油需要が逼迫するというイメージが生まれる。そういうときに、投機筋は往々にして連想買いをするんです。
オリンピックに向けて原油価格がさらに高騰してきた場合、面白いと思う銘柄は『国際石油開発帝石ホールディングス』。この銘柄は、日経平均にはあまり連動していなくて、原油高や為替で動きます。チャートを見ると、この1年間に何度も130万円超えにチャレンジしていて、5回目にして、130万円を抜けてきた。130万円は、いい抵抗線となっています」
オリンピックに向けた練習合宿の合間に取材に応じてくれた長塚選手だが、“本業”の自転車でもおおいに期待したいところだ。
「ヨーロッパ勢が強いんですが、前回のアテネでは銀だったので、今回は金を目指します。(秘策として)スピード社のレイザー・レーサーを着て、競技に出ようかと考えています。筋肉は収縮することにより力を出すます。レイザーレイサーは、着用するのに30分も時間がかかるそうですが、それだけ筋肉を締めつけてサポートしているということ。体表面積も減り、自転車にも絶対効果的だと思います。アンダーウエアとして着たいですね」
そう頼もしいコメントを寄せてくれた長塚選手。日本人が金メダルを取れば、市場も活気づくはず。株価のためにも、ニッポン、チャチャチャだ!
2008/06/17UP
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