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2008.03.27
株の本を出しているからといって、タレントが株をやっているとは限らないというのは、本稿前編を読めばわかってもらえただろう。そんな中、ひときわ異彩を放っていた本が、タレント・北野誠さんと株式評論家・山本伸さんとの対談をまとめた『60分でわかる株のツボ』(KKベストブック/2004年刊)だ。
通常の投資系タレント本と違い、同書では北野誠が第一線で活躍する株式評論家とがっぷり四つに組んで「オイルマネー」から「ポートフォリオ」までを語り倒しており、そのさまはタレント本の域を超えている。
そんなわけで、今回は“芸能界一の投資通”ともいっていい北野誠さんを直撃。テレビ、ラジオで多くのレギュラー番組を持つという多忙の中、どうやって相場観を養っているのか、ご本人に存分に語ってもらおう。
そもそも、株をやり始めたきっかけは?
北野誠
板東英二さんから「やってみ。株、上がるっ」って言われて、僕がやり始めたのがバブル絶頂期の1988年。その後、バブル崩壊で嫌になって、株をやっていない時期はありますが、株歴は長いですよ。
本によれば、「寝る前には必ず『会社四季報』を読んでいる」とか、「新幹線でバッグを忘れたのに『会社四季報』はしっかり抱えていた」なんて書いてありますね。
北野誠
最近は、『会社四季報』は、それほど読んでないけどね。今は、全然違うやり方してますわ。
今は、どんな投資スタイルなんですか?
北野誠
まず、信用取引。空売りをやってます。現物だけだと、ヘッジをかけられないでしょ。去年から今年にかけての下げ相場だと、空売りをやらないと勝てないじゃないですか。今の相場はほとんどの人が損していると思いますが、僕はこの2カ月を除けば、去年からずっと勝ってます。僕は、「株は空売りにあり」だと思ってますから。
どういうポイントで売るんですか?
北野誠
たとえば、新日鉄の場合、去年の後半から今年初頭にかけて600円から700円の間をうろうろしていましたが、2月に600円を割り込んで、500円台に行ってしまった。こうなると、あとは下落相場ですよね。基本はトレンドについてゆく。下降相場であれば、売りでついてゆくわけです。上昇相場であれば、もちろん買ってゆきますよ。
ということは、チャート分析がメインなんですね。
北野誠
そうです。ファンダメンタルズは、あまり重視していないです。ファンダメンタルズやニュースをもとにして株を買うと、高値掴みしやすいんですよ。また、去年のサブプライム問題以降、ファンダメンタルズ分析をすれば、値ごろな株なんてナンボでもあるんです。PBR(=株価純資産倍率)が1倍切っている銘柄なんて、東証1部の半分もあるわけですから。PBR1倍以下ということは、時価総額が会社が保有している資産の評価額より低いということで、例えばPBR0.5倍なんていったら、1万円の入っている財布が5000円で売られているようなもの。常識では考えられないわけですよ。それでも、なお株価が下がっていっているわけです。だから、今の相場は理屈じゃない。ファンダメンタルズ分析をしたって儲からないわけですから、あとはチャート分析しかなくなるわけです。日経平均の週足チャートを見ると、去年の8月ぐらいから移動平均線がデッドクロスしていて、下方トレンドに入ったわけですから、空売りしか儲からなくなっているんですよ。このことに僕は、途中から気付いたんです。
信用取引がメインということですが、現物株は買ってないんですか?
北野誠
現物は持ってないです。買うときも信用買い。信用だと現物の3倍買えるじゃないですか。信用取引は、現物株を担保にすることもできますが、あれはヤバいね。ライブドアショックのときに、ライブドア株を担保に信用でまたライブドア株を買っていて、えらいことになった人が大勢いたでしょ。
株を本格的にやっているのは、森本毅郎さんくらい
いつ頃から、今の方法に目覚めたんですか?
北野誠
ライブドアショックの頃ですよ。あれを境に、新興市場はずーっと下げ続けて、いくらナンピンしてもやられるわけです。
チャートはどうやって見ますか?
北野誠
単純に言うと、まず、2つの移動平均線がゴールデンクロスしたときなんかは買いですよね。25日移動平均線から乖離率がマイナス10〜15%ぐらいまで下げたら、いったん止まるとか、ある程度の目安が自分の中にあるわけですよ。ほかにも、騰落レシオも信用買い残も見ますけどね。
芸能界で、そのレベルで株の話のできる人って、ほかにいますか?
北野誠
『噂の!東京マガジン』で共演している森本毅郎さんは株やってますけど、だんだん周りでも株をやっている人は減ってますね。そういえば、この間、地場証券の営業課長がやたら電話かけてきて、「IPO銘柄を買ってください」なんて言ってきたけど、昔、IPOなんてめったに買えるものじゃなかったからね。それぐらい、株を買おうというお客さんも減っているということだろうね。
今のポジションを教えていただけないですか?
北野誠
ああ、今、個別銘柄は売買してないんですよ。最近、やっているのは、日経平均先物ですんで。
それは、すごいですね。
北野誠
もう2年近くやってますが、忙しいときは先物がベストなんですよ。1種類だけチェックしていればいいから、チャートも読みやすい。株って、たくさん銘柄を抱えていると、チェックするのがしんどくなるでしょ? だったら、先物だけやっていればいいかと思って。
でも、先物だと、レバレッジがかかっている分、怖いですよね。
北野誠
ラージは、さすがに怖いから、日経平均先物ミニです。ラージは、結構、やられると大きいですから。
芸能界で日経平均先物をやっている人って、北野さん以外にいますか?
北野誠
僕の周りにはいないですね(笑)。ただ、先物はうまくいくときはすごいけど、やられるときもすごいですからね。ニューヨークがドーンと下げて、日経平均が大幅にギャップダウンするとビックリしますよ。一晩で50万損する恐怖は、先物を始めて初めて知りました(笑)。だから、買って、その日に手仕舞うことも多いですよ。
父親が大損した「金」を買って大儲け !?
パフォーマンスのほうは、どうですか?
北野誠
ここ数年で大まかに言うと、ずっと儲けていたんだけど、ここ2カ月でだいぶ負けたという感じですかね。一昨年はだいぶ儲かったんだけれど、去年の中盤から溶かしちゃって、日経平均が思いっきり下げて、みんなが恐怖に駆られた去年の終盤に先物を買いに行って、ちょっと取り戻した。ただ、今の相場はボラティリティーが大きすぎて、さすがにしんどいわ(笑)。ただ、僕は株だけじゃなくて、ほかにもいろいろやってますから。
といいますと?
北野誠
為替は当然やるし、ガソリンの先物もやっているし、金も持ってます。ユーロは今150円台ですけど、135円で買ってますし、金は今330万円ぐらいですけど、140万で買ってます。金なんかもっと買っておけば、今頃、大金持ちだったんですけどね。
金なんて、以前からよく目をつけていましたね。
北野誠
昔、バブルのときに親父が金を買って大損しちゃったんですけど、そのときの値段を覚えていたんですね。500万ナンボ。それが4年前に120万円台になったと聞いて、「これは安い!」と思って、板、買いに行きましたわ。周りにも、「金、買え」って勧めといたんですけど、1人だけ買ったやつがおって、大儲けさせてあげましたわ(笑)。ユーロは、新聞で「石油の決済通貨として、ユーロが使われる」というニュースを聞いて、「これからはユーロや!」って思ったんですよ。
よく、そんな記事を読んでましたね。
北野誠
いやいや、儲けようと思えば、新聞も面白いからね。これからもっと株が下がったら、買おうと思っているのは、ロシアのルーブルですよ。ロシアは原油の決済を自国通貨でやろうって偉そうに言ってるんですよ。ユーロのときと同じで、これからドーンといく可能性がありますよ。
北野さんの投資談義はますますヒートアップするが、完全に素人の域を超えているのがおわかりいただけたと思う。
ちなみに今回のインタビューが行われた3月13日、日経平均の始値は1万2741円だったが、北野さんは「日経平均は1万2000円を割る」と予言していた。実際、すぐに予言は的中。日経平均はその4日後の17日に1万2000円を割り込み、1万1000円台に突入、株式市場を恐怖のドン底に陥れていた。「芸能界の投資王」、恐るべしである。
北野 誠 (きたの・まこと)
1959年1月25日生まれ。現在、『噂の東京マガジン』(TBS)や『やじうまプラス』(テレビ朝日)にレギュラー出演中。新聞・雑誌などで投資に関する連載も抱える。4月20日には、大阪・御堂会館大ホールにて、自身がプロデュースするお笑いイベント『誠魂vol.1』を開催。
『60分でわかる株のツボ 株を始めて3年以内の人へ』
(著・北野誠&山本伸/ベストブック/税込1365円)
タレント・北野誠と株式評論家の山本伸氏が、株で財産を殖やす秘訣を伝授。相場のテーマのつかみ方、株で儲ける投資家の鉄則、注目の業種・企業選びのコツ、おいしい情報のつかみ方などを対談形式で紹介する。
2008/03/27UP
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2008.03.17
株式投資に関する本は星の数ほどあれど、単にノウハウを教えるだけのような企画では、読者はなかなか手に取ってくれない。そんな中で重宝されるのが、タレントだ。著名で親近感のあるタレントが株式投資について語っていれば、小難しそうな投資本よりも断然手に取りたくなってしまう。では、それらの中で開陳されたタレントたちの投資実績やテクニックとは、いかほどのものなのか? そもそも、本当に彼らは今でも株をやっているのか? そのあたりを調査してみた。
まずは、芸能界の大御所2人の株本を発見! 『金はこうして儲けるんや』(主婦と生活社/1986年刊)と大きく出たのは、元プロ野球選手の板東英二。板東の株の原体験は、当時プロ野球史上最高だった入団契約金2000万円を親が勝手に株でスッてしまい、3分の1にしてしまったという悲惨なものだった。ところが、自分で株をやってみると、すっかりハマッてしまったそう。毎日『会社四季報』を熟読して、遠征先でも朝から証券会社の株価ボードを眺めたり、練習中でも短波ラジオの株番組を聴くなど、かなりの熱の入れようだった。その甲斐あってか、半年で2000万円も儲けてしまった。だが、それもつかの間、プロ野球引退後、実業家として再出発するも1億4000万円もの負債を背負うことに……しかし、それもタレント業で返済したという。結局、働くのがいちばんという結論 !?
芸能界の中でも、金の臭いをプンプンと漂わせる2人。その投資極意は、庶民の参考になるのか?
島田紳助は、00年に『株・不動産 知識ゼロからの金儲け』(幻冬舎)という投資本を出している。意外にも、実践的な投資入門書だ。紳助の知り合いいわく、現金で持つのは1000万円まで。「1000万円で治らん病気は死にますから」というわけで、残りは株と不動産で運用すべしという。紳助が株を始めたのは20歳を過ぎというから、かなりの早熟。20代後半で吉本興業株を同社会長の勧めで購入し、すぐに儲かったが、その後、民営化されたNTT株でお決まりの大損となった。株はトータルでプラスだそうだが、紳助が金儲けで成功できたのは、不動産によるところが大きい。一般人がなかなか手を出しにくい競売物件を安値で落札し、転売しているのだ。多忙にもかかわらず、暇を見つけては裁判所に通い、めぼしい物件をチェック、これぞという物件は下見へと、情報収集に余念がない。「ややこしい占有者」がいる場合もあるが、「お金目当てであれば、交渉でいかようにもなる」そうだ。また、紳助と板東に共通しているのは、「子育ても投資」という考え方。だが、その内容は大きく違う。紳助は、次女が海外留学する際、「甲(次女)が成功した(年収150万ドル以上)あかつきには、年間30万ドルを7年間にわたってお支払いいたします」と誓約書を書かせるなど計算高いのに対し、板東は「子供でどうやって儲けるか」とぶち上げながら、最終的には「カエルの子はカエル。(略)それが浮世の定めです。(略)あかんと思たら早いうちに次の賭けに向かいなさい」と、かなりアバウト。これは2人の芸風の違いか。
損をすると言いながら、株の魅力を語る2人
さて、この2人の投資本が「ゼニこそ命」というバブル期の脂ぎったオヤジ臭が漂う(苦笑)のに対し、「株は知的」というイメージを前面に打ち出したのが、ミュージシャンのサンプラザ中野(現サンプラザ中野くん)だ。著書『株本』(日本経済新聞社/03年刊)は、マネックス証券の松本大社長との対談形式で、すでに株式投資経験者である中野が、さらに株の魅力を知っていくという内容。出版されたのが、日経平均がバブル後最安値である7607円から急回復していった時期に当たり、新しく株式市場に押し寄せた初心者投資家たちの多くが、同書を買い求めたようだ。ところが、今、読み直してみると、いささか疑問も生じる。冒頭に出てくるのは、「株は損する」という話なのだ。
松本:中野さんは200万円から始めて、いまはどのくらい?
中野:口座に入れたお金は計250万円、いまは150万円くらいですね。
松本:250分の150だから、およそ60%。4割、損をしたわけだ。
中野:(うつむいて)はい……。
松本:ファンドマネジャーとか、機関投資家とか呼ばれる、プロの投資家がいますよね。日経新聞の相場欄には投資信託の基準価格が出てるんですが、その平均をとると、だいたい6000円くらいです。スタート時の投資元本は1万円ですから、プロの投資家の運用成績も、ほとんど中野さんと変わらないんですよ。
中野 おおー!
では、なぜ株をやるのかという説明もなく、株投資の魅力を啓蒙すべく対談は続く。ただし、中野は、その後、株式市場の活況とともに株タレントとして注目を浴び、一時はメディアに出ずっぱりの状況に。株の損失以上に稼いだに違いない。
眞鍋かをりは、株本で「知的タレント路線」が定着 !?
女性タレントだって、負けてはいない。ここ数年の株ブームに乗じ、また知的イメージを獲得するためなのか、多くの女性タレントが投資本を出している。
先鞭をつけたのは、眞鍋かをり。『眞鍋かをりと松本大のいちばんやさしい株のはなし』(日本経済新聞社)を04年7月に刊行している。「父親に『お前には株はムリ!』って言われていたんです(笑)」という眞鍋が、こちらも松本社長の講義を受けながら、次第に株に興味を示してゆくという内容だ。
眞鍋:いざ株式投資を始めようとすると、専門用語がいっぱい出てきて、難しかったりするじゃないですか。それってやっぱり、ちゃんと勉強して、よく分かってからじゃないと、始めちゃダメですか?
松本:いや、専門用語を知っているかどうかは、関係ないでしょう。
眞鍋:だって私、まず「ダウ」とか、いきなり分からないんですよ(笑)。
松本:僕もよく分かんないです!
眞鍋:えー本当ですか!?
いくらなんでも、東大法学部卒、ゴールドマン・サックス証券史上最年少パートナーを経て、ネット証券会社を立ち上げたという華々しい経歴の持ち主が、「ダウ」を知らないわけはないだろう。
ともかく、松本社長の講義を聞き終えた眞鍋は、「私も株主になって、株主総会に参加したい」と発言するまでに成長する。
同書が好評を得たためか、眞鍋はその後、翌年『いちばんやさしい株のはなし2』(同)を、さらに07年『いちばんやさしいネット株』(同)を刊行。すっかり株タレントとして認知されるようになった眞鍋だが、『いちばんやさしいネット株』の冒頭で、衝撃の事実が明らかとなった。
美女三人と株や投資のプロが語り合う形式の入門書。タレント側は聞き役に徹していて、投資テクニックを披露するというレベルではなかった。
松本:そういえば眞鍋さん、ついに株を買ったんですってね。
眞鍋:そうなんですよ。おかげさまでようやく投資家としての一歩を踏み出すことができました!
松本:それはそれは、おめでとうございます!……って、お祝いするようなことでもないか(笑)。ともかくも「株の本を2冊も出しているのに、実は株を買っていなかった事件」が解決したわけですね。
いきなりズッコケてしまったが、タレントなんてそんなものなのか……。当然ながら、浮上してくるのは、ほかにも株本を出しているタレントの「株“未”取引疑惑」だ。
そこで調査隊は疑惑の真偽をタレント本人に確かめるべく、株本を出しているタレントに取材依頼を敢行した。
サトエリ、矢沢心は、本当に株取引をやっているのか?
まず『佐藤江梨子と浅井秀一のいちばんやさしいマネープラン』(日本経済新聞社/05年11月刊)を出している佐藤江梨子の事務所を直撃すると……。
「株の本は出していますが、紙面で佐藤は株について話しているだけなんですよ。自分で株をやっているわけじゃないんで、株の取材はふさわしくないかと思いますが……」
同書をよく読んでみると、確かに株をやっているとは書かれていない。
佐藤:従業員主義社会のほうが、なんとなく穏やかなイメージがあります。でもいまは、株主のほうが大事にされるんですね。
浅井:それはちょっとイヤですか?
佐藤:うーん、やっぱりイヤかも(笑)。
浅井:だったら、佐藤さんも株主になればいいんですよ。(中略)そんな気持ちで投資をするといいんじゃないかな。
佐藤:確かにそうかも。
浅井:(中略)人間と同じで、お金にもきちんと役割を与えて働いてもらう。それが本当の資産運用であり、マネープランなんですよ。
佐藤:ハイ、わかりました!がんばって勉強します!
なるほどサトエリは、ファイナンシャルプランナーの懸命の投資勧誘をうまく受け流して(?)いた。同書の最後のページでも「ハイ! 私ももっとお金のことを考えてみようと思います!」と、元気だけよくて投資の確約はしていなかった。
さて「株“未”取引疑惑」を次に検証するのは、『矢沢心と臼田琢美の初めての株ココロ』(ソフトバンククリエイティブ/06年9月刊)を出している矢沢心。
臼田:そうそう。まずは株をやってみないと何も始まらないからね。貯めよう、増やそう、儲けようじゃなくて、まずは勉強のためにやってみること。
矢沢:わかりました。私もチャレンジしてみますね!
ここまで宣言していて、未取引だったら、タダじゃおかないぞ!と息巻いて、事務所を直撃すると、
「ええ、やってますよ。ネット証券に口座を作って、自動ナントカってのをやっているんじゃないですか。投資成績のほうは、全然だって言ってますけど。ただ、取材はお受けしたいのですが、ドラマ『斉藤さん』の撮影で忙しくて、余裕がない状態です。ごめんなさい」
とのこと。残念ながら、「自動ナントカ」は利益を生んでくれないようだが、株をやっていたことに安心しました。
一流スポーツ選手は、投資実績も一流!
最後に紹介するのは、頭脳派のハードル選手・為末大が著した『インベストメント ハードラー』(講談社/06年7月刊)。
同書では、為末選手が子どもの頃、中古ゲームソフトを安く売っている店で買って、それより高く買ってくれる店で売り、お小遣いを稼いでいたという地アタマの良さを披露している。本格的に投資に目覚めたのは、ファンド運用会社・アジアパートナーシップファンド(APF)の此下益司会長との出会いがきっかけだった。為末選手は、此下会長の指導のもと、通貨危機から立ち直りつつあったタイで「2倍、3倍になる投資を、体感したい」と30万円を不動産や株式に投資し、たった2年で2000万円にしてしまったのだ。
ぜひともその投資手腕を見習いたいと取材依頼をしたが、エージェントいわく「タイへの投資は今もやっていますが、本人のスポンサーがファンドなので、他の金融関係がスポンサーをしているサイトへの出演は難しい」とのこと。
ちなみに、「週刊新潮」(08年2月14日号)に為末選手をスポンサードしているAPFについての記事が掲載されていた。記事によれば、防衛庁問題で疑惑の渦中にある久間章生元防衛相がAPFの親会社の株主であるとか、タイ金融当局に届け出ている株主名簿がいい加減だとか、日本の金融当局に届け出ていないことなどを挙げて「疑惑の投資ファンド」とまで書かれていた。為末選手の『インベストメント ハードラー』に「私はお金とは『現代の刀』だと思っています。抜くと、たしかに危険がある」とあっただけに気になる記事であった。
さて、ここまで読むと、「単なる株本紹介かい!」というツッコミをもらいそうだが、調査隊はこのままでは終わらない。ついに、「芸能界一の投資王」ともいえる有名タレントを特定し、取材をすることに成功した。そのタレントの投資テクニックが、いよいよ明らかになる!? 続きは、3月27日公開予定。乞うご期待。
2008/03/17UP
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2008.03.11
バレンタインデー、ホワイトデー、そして、別れと出会いの春……この時期は、まさに恋愛シーズンである。
と、なぜか今回は「株式調査隊」らしからぬ書き出しになったが、これが見事に株と関係あるらしいのだ。恋愛と株式投資は、共通するところがたくさんある。つまり、株式投資のコツをつかめば、恋愛もうまくいき、また、その逆もある。まさに一石二鳥!そんなユニークな論を展開しているエコノミストがいるという。今回の調査隊は、そんな興味深い話を聞きに行ってきた。
保田隆明
では、次にご説明をしたいのは、分散投資の重要性です。分散することの重要性は、恋愛に例えますと、ひとりの異性に入れ揚げてしまうと、フラれたときのショックはあまりにも大きく、立ち直るまでに時間もかかります。それを防ぐために、本命はいても、その他、大勢のキープ君を持っておく。あるいは、常に大勢の異性を抱えておいて、その中から絞り込んで「この人なら大丈夫」という人を決めて、アタックする。株の世界では、これを「ポートフォリオマネジメント」と言います。ある銘柄に一点集中してしまうと、その銘柄がダメになったときの損害が大きい。だから、いろいろな業種の株や世界中の金融商品に自分の資金を分散して投資して、トータルで利益を出してゆこうという考え方です。
岩井志麻子
ほうほう。私の恋愛の場合は、これまで同時に3つも4つも、しかも世界中にまたがって行っていたこともありましたけど、今は、韓国の男のコだけに絞ってますね。
保田隆明
一点勝負ですね。そのコの株価が値上がりしてくれれば、リターンは高いですね。ただし、その分、リスクも高いです。
岩井志麻子
ああ、それは華原朋美ちゃんを見ていても、そう思いますね(しんみり)。朋ちゃんも小室哲哉だけじゃなくって、小林武史とかにも行っていたら、あんなことにはならなかったろうにって……。確かに、分散投資の重要性を感じます。
保田隆明
岩井さんの場合、韓国が経済破綻する可能性もありますから、もうひとり、ほかの国に男のコを持っておくと、いいかもしれませんよ。
岩井志麻子
うーん、ならばタイなんてどうですかね。タイの主要産業って、オカマと麻薬と売春だから、絶対になくならない。あんな国ってないですよね。タイは、22世紀になっても、その3つで回っていると思います(笑)。面白い男もいそう。
保田隆明
ただ、本当の投資では、日本にいると、外国の市場や株の情報は手に入りにくいですから、格付けなどをしっかくチェックしておくべきでしょう。
岩井志麻子
格付けというのは?
保田隆明
第三者機関による企業の信用度の評価です。最も評価の高いAAA(トリプルエー)の評価があれば、その企業が借金をするにも金利が安く済みますが、評価が低いというのは倒産のリスクがあると思われますから、投資対象としては不適格です。
岩井志麻子
格付けがいいというのは、恋愛における「モテ」というやつですかね。今の日本人にとって、「モテ」ってものすごい重要な指標になってますよね。どの雑誌を読んでも、「モテ」「モテ」「モテ」。年金と並ぶぐらいの関心事になっているみたい。それで思ったんですけど、モテにも種類がありますよね。いわゆる「ヒルズ合コン」の世界に来るような女のコって、パターンが2種類に分かれているそうなんですよ。一方は名門女子大卒の丸の内OLとか、女子アナとか、スチュワーデスとかのお嬢様系。もう一方は、レースクイーンとかモデルとか、グラビアタレントとかのギャル系。来る男は、IT企業とか不動産屋の社長さんなんだけど、その日にお持ち帰りされやすいのはギャル系で、お嬢さん系は後日会う約束をして、長く引っ張ろうということになるんです。これって、どっちがモテていることになるんでしょうかね。
保田隆明
それは、どっちも「モテ」なんだと思います。ギャル系の方も、自ら短期売買が好き、つまりいろんな男の味を知りたいということが目的なんでしょうから。デイトレーダーみたいなものかもしれませんね。
岩井志麻子
あと、「ムダモテ」っていうジャンルもありますよね。私が出演している『5時に夢中!』(MXTV)って番組に、ジョナサンという群馬育ちのアメリカ人のアシスタントボーイがいるんですけど、しゃべれるのは群馬なまりの日本語だけ。売れないタレントで、年中ピーピー言ってるんですが、おつむの具合がいまいちなので、マダム系オバサンにはモテない。マスコミ関係の女にもダメ。ところが、ミーハーなお金を持っていない若いお姉ちゃんにはモテるんですよ。でも、若いお姉ちゃんにモテても、援助してもらえるわけでなく、テレビにも出さしてもらえない。それは彼にとって勝ちなのか負けなのか……。
保田隆明
それは、ジョナサンくんにとっては一応、勝ちなんじゃないかな。支持してくれる人がいるということは、それなりに魅力はあるんですから。その魅力の部分がテレビで受け入れられて、いつかはジョナサンくんの時代が来るかもしれません。株式市場でも、時間が経過するとともに、人気銘柄は動いていきます。これまで人気のなかったセクターが、突然上がったり。ちなみに今、株式市場で人気なのは、製薬などの景気の変動を受けにくい業種。ディフェンシブ銘柄っていわれています。
岩井志麻子
毒入り餃子問題が起きたので、冷凍食品業界なんて大変でしょうね。
保田隆明
でも、逆にみんなが見放した、そういう銘柄をこっそり買っておいて、市場が冷静さを取り戻すまで待つという逆張り戦略というのもあります。
岩井志麻子
それ、私もよくやります。みんなが手をつけないような男に、手を出しちゃう。ただ、金持ちになってくれるのを期待しているわけじゃなくて、あとで突拍子もないことをしでかして、小説のネタになってくれたりしないかなと。
ひょんなことから、ハマってしまうところも恋愛と一緒
保田隆明
昔から、そういう傾向だったのですか?
岩井志麻子
いや、実は前の旦那とかは、三代続いた岡山のど田舎の老舗会社の社長で、「俺は絶対上がるから、買わんかい!」と脅されて、結婚したようなものなんですよね。ただ、実際は上がりもしないし、下がりもしない。何十年にわたって、まったく変化のない会社でしたよね。昔は、前の旦那も含めて、すごく安全な株に手を出していたんですよね。だけど、離婚して、自分で稼ぐようになって、自分で自由になる金ができたら、変な株ばかりに手を出すようになって。
保田隆明
やっぱり、リスクを取ってでも、成長性に期待したい。岩井さんにとっても、面白い経験、刺激的な経験をさせてくれそうな男性を選ぶようになったということですよね。ところで、今は韓国のコにお熱を上げてらっしゃるんですよね? 韓国人からしてみたら、岩井さんは外国人投資家という扱いになると思うんですが、もし、韓国で別の投資家が彼に投資をしようとしたら、つまり恋敵みたいなのが現れたらどうしますか?
岩井志麻子
向こうのマダムみたいな女性ですね(笑)。そうなったら、日本の威信を懸けて戦います! 一人で硫黄島状態になっても最後の最後までやります!
保田隆明
そういうシチュエーションは、株式市場だとTOB合戦に例えられると思います。TOBというのは、「Take Over Bid(株式公開買い付け)」の略で、ある企業を買収したいと考える企業が、その企業の株を他の株主から買い付けるというものです。TOBを提案する側は、株主に対して、売却を促すための魅力的な条件を出します。「○○○円で買うので、売ってくれ」と。ある企業に対して、複数の企業がTOBをかけると、株価はどんどん吊り上がることになります。つまり、男性に対して。「私のほうが、いいわよ」というアピール競争ですよね。
岩井志麻子
なるほど。私の場合、そんなにお金を出して、株価を吊り上げてゆくということはないと思います。お金なんて本気になったら、いくらでも引っ張ってこられますから、きりがありません。それよりも、自分の武器を徹底的に使いますよ。あんなこと書いたり、こんなこと書いたり。あと、テレビでしゃべったり(笑)。でも、実際問題としては、人気株には手を出すことはありませんから、取り合いになったこともないです。
保田隆明
彼とは、どれぐらい年は離れているんですか?
岩井志麻子
18歳下です。衝撃的だったのは、そのコのお母さんと私が同い年なんですよ。向こうとこっちの、どっちが変態なのか。
保田隆明
今日は、「株は恋愛に似ている」というテーマの対談だったんですが、どんどん話が離れてきましたね(笑)。でも、ちょっとは、株式投資に興味を持ってもらえましたでしょうか?
岩井志麻子
「銭が欲しい」という欲望は希薄だったので、どうかなぁと思ったんですが、美人コンテストの優勝者当てという感覚で、遊びとしてなら、なんかの拍子でハマるかもしれませんね。ハマると、とことん行ってしまうタイプなので。
保田隆明
ひょんなことから、どっぷりハマってしまうという点でも恋愛と一緒なんですよ(笑)。それでは、これで終わるのもナンなので、岩井さん、世の女性向けに、恋愛についてのアドバイスをお願いします。
岩井志麻子
うーん、どうすればモテるかという話でいうと、世の中にモテない人間はいないというのが私の持論です。モテないと思うのは、2つのものを両方欲しがるからです。私みたいなオバハン作家が、このまんまで19〜20歳のイケメンにモテたい、しかも、オバハンとしてではなく、うら若き娘としてモテたいというのはどだい無理。19〜20歳のイケメンにモテたいということに絞れば、金持ちになって、お母さんみたいにお世話してあげたりするしかない。どうしても若い娘扱いされたいんだったら、自分より年上のおじいちゃんのところに行ったら、幸せになれる。私の知り合いで、顔はそこそこかわいいのに体重が100キロという女のコがいるんですけど、多分、デブ専専門店に行ったら、ものすごいモテると思うんです。なのに、彼女、普通の男に普通の女性としてモテたいって言うんです。モテたいだけだったら、デブ専の男に行けよ、普通の男にモテたいなら、普通の容姿になろうってことじゃないですか。つまり、モテない人なんていないんです。モテないと嘆いている人は、瀬戸内海の浅瀬で鯨を釣ろうとしているようなもんなんですよ。場所さえ選べば、あんたは絶対モテる!
保田隆明
なるほど。投資に関しても、身の丈に合った投資法や金額を選ぶというのが重要ですからね。うまくまとまったでしょうか(笑)。
プロフィール

岩井 志麻子 (いわい・しまこ)
1964年生まれ。高校在学中、第3回小説ジュニア短編小説新人賞に佳作入選。少女小説家を経て、99年『ぼっけえ、きょうてえ』が日本ホラー小説大賞を受賞。エッセイやテレビ番組などで、異性交遊を中心に、私生活を暴露する「エロくて、変なオバチャン」キャラとして活躍中。『5時に夢中!』(東京MXテレビ)の木曜レギュラー。

保田 隆明 (ほうだ・たかあき)
1974年生まれ。外資系証券会社勤務を経て、現在「ワクワク経済研究所」代表。『日テレ NEWS24 まーけっとNavi』(日本テレビ)など、テレビ、ラジオなどメディアを通じて、小難しい経済・金融分野を柔らかく解説。著書に『なぜ株式投資はもうからないのか』『M&A時代 企業価値のホントの考え方』『投資銀行青春白書』など多数。
書籍紹介

『恋する株式投資入門』(マンガ・ふじたきりん/青春出版社/税込1050円)
株とその仕組みについて、恋愛をモチーフにマンガと図解でわかりやすく解説。値踏みしたり、一目ぼれしたり、愛想を尽かしたり、その行動や思考パターンは非常によく似ている。「な〜んだ、株の仕組みなんて意外とカンタンね」と感じていただける一冊。

『金トレ! an・anBOOK 』(共著・目黒 陽子/マガジンハウス/税込1200円)
身近な「節約」&「貯金」から、株や投資信託といった「投資」、話題の「年金&保険」、仕事やマイホームなど人生について回る「ライフスタイル」をめぐるお金、知らなければまずい「経済ニュース」など、ややこしいお金の常識を、Q&Aスタイルでわかりやすく解説。
(写真/田附愛美)
2008/03/11UP
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