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サイゾー株式調査隊

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≪ 2007年12月 

2007.12.29

2007年も年の瀬の押し迫った12月15日、東京・赤坂にあるバー「モルターリブス」で行われたのは、デイトレーダーを中心とする個人投資家による忘年会だった。「トレーダーズバー」と銘打たれた店だけあって、普段から投資家の憩いの場として利用されているそうだが、年末ということで、いつもより盛大に多くのトレーダーで賑わっていたところに、調査隊は潜入した。

「そもそもは僕自身がサラリーマン投資家で、ブログもやっていまして、2年ほど前にコメントを交換していた仲間に呼びかけてオフ会をしたんですね。そうしたら、50人も集まった。それでトレーダーの人たちって、それまでよっぽど交流の機会がなかったんだな、ということに気付きまして、定期的に交流会を始めることになったわけなんです」
と語るのは、この忘年会の主催者であり、「トレーダーズミーティング」と呼ばれるイベントや個人投資家のためのコミュニティサイト「トレーダーズネット」などの運営を手がけている、株式会社グロークス代表・内田貴雄氏。内田氏はこれまでに数々のトレーダーと接し、トレーダーの栄枯盛衰も目の当たりにしてきた。では、勝ち残る投資家には、どのような条件があるのだろうか?

会場となったトレーダーズバー「モルターリブス」。店内は投資関係の書籍が置かれている。週末ともなると、トレーダーが大勢詰めかける。

右が、主催者であるグロークス代表・内田さん。左は、メディア事業担当取締役の次山嘉一さん。

「投資ブームというと、05年ぐらいが一番盛り上がっていたんじゃないかと思います。新陳代謝が激しい世界ですが、ブームが一段落したこともあり、トレーダーの数自体も減っていると思います。ひとつ言えるのは、05年までに相場に入っていた人は強いということ。03年から05年までの相場は日経平均がグングン上がっていたので、7割の投資家が儲けていましたが、この中でも上級者クラスの人は、その後の下落相場にも戦えるような蓄えがあり、また相場を研究する時間もあり、安定的に勝てる手法を確立しているため、生き残っている確率が高い印象ですね」

「あと、常に儲け続けられるトレーダーは、皆さん、数字に強い。何カ月も前の出来高やチャートの形を覚えていたりします。逆にやられちゃうのが、『××社の今度の新製品はすごい』というような銘柄にほれるタイプですね。新興市場の銘柄なんて、この2年で5分の1、10分の1になったのがザラにあるわけですから、銘柄に入れ込んでしまって損切りできなかった人は、新たにトレードすることもできなくなってしまいます」

忘年会の参加者を直撃してみると……

なるほど、投資家に絶大な人気を誇ったライブドア株でさえ、事件を起こして上場廃止に……。おごれる者、久しからずが株の世界だ。さて、そうしているうちにも、チラホラとお客さんの姿が……。各トレーダーにも、話を聞いてみた(トレーダーの名前は、ハンドルネーム)。

皆さん、07年の投資成績はどうでしたか?

DTBさん

僕は株を始めて1カ月もたってないんで、右も左もわからないという感じですよ。取りあえずわからない(笑)。ある程度負けても、勉強代かなって思います。でも、面白いですね。これはムリだろうっていう暴落相場でも儲かっている人はいるわけで、その手法を知りたいと思って、今日、この飲み会に来てみたんです。

ポカさん

今年は、6月あたりから海運関連が上げたのに乗っていって、調子が良かったですね。

商船三井とか川崎汽船とかですか?

ごん助さん

今年は、明治海運とかのあまり有名でない軽い銘柄のほうが、2倍、3倍と上がっていったんですよ。太平洋海運も……。

ポカさん

太平洋海運が業界を引っ張っていたときに第一中央汽船が後ろを追っていて、それに乗っかった。そんなふうに連動する銘柄を見つけていったわけです。10月ぐらいからは停滞していた新興銘柄が調子づいてきたんで、サイバーエージェントと連動するサイバーコムに乗っていって……。

チャイナショックとかサブプライムローン問題など、暴落相場が続きましたけど……。

ポカさん

僕はスキャルピング(短時間の売買でわずかな利幅をすくう取引手法)が中心なので、あまり影響はなかったですね。むしろ乱高下したほうがやりやすいので。

ごん助さん

持ち越しはしないんですか?

ポカさん

めったにしないですね。

ごん助さん

僕は、場が引けるときに何かしらオーバーナイト(持ち越し)していたんで、ニューヨークが暴落して、翌日、日本株もドーンと下がるということが何回もあって困りましたよ(笑)。06年は上昇トレンドが続いたので、持ち越していてもアメリカが上がるから日本株も上げて始まるということが多くて儲かったんですけどね。

皆さんが参考にしているサイトとかってあります?

DTBさん

僕が唯一参考にしているのは、toratoraさんのブログです。

ごん助さん

この3年、月次収支で負けたことがないというほど安定感のある人ですね。あ、あちらにいますよ。

え、そんな凄腕のトレーダーさんが? あ、どうもtoratoraさん、ちょっとお話を。今年は、どういう1年でしたか?

toratoraさん

06年相場は、萌え系とかIPOとかバイトとか、その時々のテーマというのが明確だったんだけど、今年は海運以外は、的が絞りにくかった。あと、自分がメインにしていた新興市場の停滞も痛かった。売買代金が低迷しちゃって、自分としてはやりにくかったなあ。

08年は、どうなると思いますか?

toratoraさん

下は1万5000円、上は1万7000円ぐらいという今の水準で、行ったり来たりするんじゃないかなあ。

美人女性トレーダーの心意気と肥満対策

だんだんと活気を帯びてきた店内だが、見渡す限り男ばかり。これが相場の世界というものか……。そんな中、紅一点、美人女性トレーダーさんの姿が見えるテーブルを発見!これは話を聞かなければ……。

左から、参加者のごん助さん、ももさん、yoshihikoさん、kouさん。このテーブルは20代の若者ばかり。

どうも、どうも、女性トレーダーさんは珍しいですよね。いつから株を?

ももさん

今年の4月から専業です。その前は、OLでした。それまでは妄想期間として、お金は入れないで頭の中でシミュレーションをしていましたね。

株は、うまくいってますか?

ももさん

金額的には、倍になったんですが、手法は試行錯誤している段階なので、まだまだです。

でも、短期間のうちに2倍にするって、すごいですよ。

ごん助さん

普通、初心者は半分にしちゃいますからね。

yoshihikoさん

僕も初心者なんで、偉そうなことは言えないですけど、すごい試行錯誤してますよ。毎日、やり方を変えているぐらい。今は兼業トレーダーなので、ゆくゆくは手法を固めて、専業になりたいです。

ももさん

私はコツコツ型なので、大きく儲けるっていうのはないんですけど、少しずつ階段を上ってゆくようにしてます。

どの辺で儲かるようになったんですか?

ももさん

IPO銘柄が上がりやすいって気づいたのが大きいですね。でも、よくわかったのは、激しく動くIPO銘柄は、利益は出やすいんだけれども、減るときも早い。だから、逃げが大事だなと思います。

これからも、専業でどんどんやっていきたい?

ももさん

何でもそうだと思いますけど、やっぱり、2〜3年はやってみないと、わからないと思うんですね。株のお勉強を続けているうちに、起業とか、何か別のものに興味を持つかもしれないですし、それは決め付けてはいないです。

ごん助さん

ただ、専業で長くやっていると、表に出ることが少なくなるんで、体が丸くなってきますよね(笑)。それで最近では、これじゃないけいってことでトレーダー仲間と一緒にテニスしたりするのがはやってます

yoshihikoさん

色も白くなる。

ももさん

日焼けしないのは、美容にはいいですけど(笑)。太っちゃうのは気にするので、健康バランスボールに座って、トレードしてます。

それ、かなり疲れますよね。

ももさん

いいですよ。私、痩せましたもん(笑)

宴もたけなわの中、テーブルのあちこちで聞かれたのは、相場心理学や外資系証券の動向などのトレーダー限定トーク。お金が絡むだけに、アルコールなしのソフトドリンクだけで何時間も真剣な議論に熱中するトレーダーも多いとか。大儲けして仲間と喜びを分かち合うもよし、大損してやけ酒を煽るもよし。そんなトレーダーの憩いの場が赤坂にあったのだ。

2007/12/29UP


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2007.12.16

ときに、株式投資にまつわる素朴な疑問から、看過できない大問題まで、マネー誌にはない独自の視点で切り込み、ときに、地をはうような取材で投資に役立つマル秘情報を入手する。それが、サイゾー株式調査隊のミッション。今月も皆さんが知りたがっていた、株式投資をめぐるナゾに斬り込みます!

2007年も残すところわずかとなったが、年を越す前にやっておきたいのが、1年前の株価予想記事の検証だ。経済誌や週刊誌などでは、毎年、年末から年初にかけて、その年(翌年)を占う各種予想記事が掲載されるが、特に株価予想記事は財布に直結するだけに投資家の関心が高い。ここでは、1年前の株価予想記事の執筆者、コメンテイターを直撃し、予想結果について感想に加え、懲りずに来年の予想について聞いてみた。

年末年始の定番となっている経済・株価予測記事。信じるか、信じないかは、あなた次第!?

まずは、1年前の株価予想記事を集めてみると……これが見事なまでにハズれている。特にハズれていたのが、日経平均株価。大方の予想では「好調な世界経済、円安で輸出企業の業績は良好であり、年後半にかけて2万円台へ」というもの。

今年の大発会(1月4日)での東証平均株価の終値は、1万7353円だったが……。その後の株価の動きを予想できた人はいたのか?

ところが、現実には2月末にはチャイナショックが襲い、サブプライムローン問題が下半期を揺らし続け、相場は尻すぼみ。2月と夏に一時1万8000円台にタッチしていたが、11月30日の終値で1万5680円。大発会1月の終値1万7353円と比べて、1673円のマイナスだった。記者が入手できた限りでは、日経平均の下落を予想した記事はひとつもなかった。予想者は、大手証券会社のベテランアナリストやや当代一流のエコノミストばかり。どうして、こうもハズれてしまうのか。自身「年末の予想値は、1万8580円となる。当たりそうな気はしないが、無難な数字だ」(「週刊ダイヤモンド」07年2月3日号)という予想記事を執筆していた経済評論家の山崎元氏が説明する。

「この時、私が予想した株価の値は、予想ベースと実績ベースのPER(株価収益率)を使った計算式から導いた『無難だと思った』値ですが、結果的には外れました。実は専門家にも、株価の将来を当てる能力は、基本的にありません。だから、予想記事というのは、マーケットで起きつつあることについてのその人の意見だという程度に考えたほうがいいでしょう。また、ファンドマネジャーの本音を言うと、予想は、お客さんに対してのセールストークの一部だというのが実態です」

「ファンドマネジャーの本音を言うと、予想は、お客さんに対してのセールストークの一部だというのが実態です」という山崎氏。

確かに「株価予想はセールストーク」と考えると、ほとんどの株価予想記事で株価上昇を見込んでいたのもうなずける話。では、来年の株価はどうなるでしょうか(矛盾(笑))?
 「現在、特段の予想はありませんが、サブプライム問題は、短期間には片付かないとしても、いずれは片付く、基本的には循環性の問題です。サブプライム問題の全貌はまだ明らかとなっていませんが、その全貌が見えてくる頃には、株価も底をつくはずです。そういう意味では、今年年末から08年の前半あたりが、株を買うチャンスといえるでしょう」

突発的な出来事までは予想できない

次に検証させていただくのは、カリスマ予備校講師でベストセラーになった『細野真宏の世界一わかりやすい株の本』(文藝春秋)の著者・細野真宏氏。「週刊文春」(07年1月18日号)に、細野氏は、次のようなコメントを寄せていた。

「このままいけば今年中に日経平均1万8000円台を達成すると思います。さらに、世の中の株式投資に対する盛り上がり次第では、1万9000円もありえます。その盛り上がりの起爆剤となりうるのが、5月に解禁される『三角合併』が象徴する“企業の再編”だと思います」

1万8000円台に乗せたのは当たったが、残念ながら1万9000円にまでは届かず。予想結果について、細野氏はどう思っているのか。同氏は普段、取材にはあまり関心を示さないそうだが、今回は「自分の発言には責任を持たないと」と真摯な対応をしてくれた。

「短期的な予想は比較的当てやすくて、私の予想も年の中盤までは当たっています。これは短期予測の場合は、世の中の空気を読みやすいし、その間に突発的なことが起こるリスクも少ないですからね。ところが、長期的な予想になると突発的なことが起こるリスクも高まるので、予想するときにはキチンと前提を明確にする必要が出てくるんです。そこで私は、もし大きな問題が起こらずに、企業買収も活発に行われ、世の中がこのまま盛り上がっていれば、という前提のもとであれば1万9000円台も見えてくるとお話ししました。そして、07年の後半は、まさにサブプライム問題が突発的に発生してしまいました。このため日米で企業買収が減ってしまい、株価上昇の起爆剤としての役割を果たせなくなったりと、前提条件が変わってしまったのです。そこで、その前提に基づいた08年の株価の予想についてですが、珍しく短期でも予想が見えません。サブプライム問題が落ち着く時期も含めて、どっちにも動き得るような、非常に不確定な要素が多すぎるんです。なので、短期的にもまだまだ乱高下があると思っています。ただ、個別銘柄では、明らかに安すぎる銘柄が多く見られます。象徴的なのは、黒字企業で業績の見通しも悪くないにもかかわらず、PBR(株価純資産倍率)が1倍割れという企業が数多く出てきています。中長期で見て、そうした銘柄を拾っておくのも、投資戦略としては有効だと考えています」

個別銘柄を見事に当てた理由

さて、以上は日経平均予想の検証だったが、個別銘柄の予想でも多くの予想者が苦戦していた。
 そんな中、健闘していたのが、証券アナリストの里見健一郎氏。里見氏は「エコノミスト 投資の達人」(07年1月1日号)で、任天堂、日医工、伊藤忠商事、三井物産、丸紅など、多くの株価上昇銘柄を的中させた。里見氏が感想を披露してくれた。

「顕著に上昇したのが任天堂。2万9880円(1月4日)から6万7500円まで上昇しました。任天堂は06年末にWiiを投入し、大ヒットしたわけですが、それまでゲームをやらなかった層まで取り込むことに成功し、株価も上昇しました。この原稿を執筆した段階では、ソニーのPS3よりWiiの販売台数のほうが圧倒的に多く、その流れがその後も続いたようです。日医工は、後発医薬品のメーカーなんですが、後発医薬品は政府が医療費抑制のために推進しており、その流れにうまく乗ったために株価も上がりました。昔からの相場格言で『政策に売りなし』というのがありますが、やはり政策の後押しを受けている銘柄は強いということが証明されたと思います。商社株は、自動車用エタノールというテーマで取り上げたのですが、これも当時の農林水産省のプロジェクトとして推進していたものです。その後、図らずも原油価格が高騰し、エタノール使用をもっと増やそうという機運が高まり、商社株も上がりました。タイミングがうまく合っていたために、結果として当たったということでしょう。当たった銘柄をこうして見ますと、経済の流れの水面下で何が起きているのかを丹念に追ってゆけば、おのずと銘柄も見えてくるといえるのではないかと思います。今、私が注目しているのは、造船業界です。中国関連セクターとして以前から知られていますが、中国の経済発展は5年10年で終わるようなものではありません。日中間の物流は、これからもますます拡大し、造船業界に果実をもたらすと思われます。銘柄としては、川崎汽船、商船三井でしょう。両社は船体整備の規模が大きく、業績アップの恩恵を受けやすいのです」

北浜氏の08年推奨銘柄は?

さて、前出「エコノミスト 投資の達人」の「07年超有望銘柄」として、ソフトバンクを長期スタンスで「買いゾーンは2200〜2500円、売りゾーンは3000〜3300円」と推奨していたのは、有名株式評論家の北浜流一郎氏だった。ソフトバンクは、1月4日終値、2440円でスタートし、春ごろ3000円を突破したが、その後、伸び悩み、9月には2000円を割り込み、11月30日現在までに回復して、2545円。北浜氏のコメント通り、2000円台前半の買いゾーンで買い、売りゾーンの3000円で売っておけば儲かったことになるが、1年間でほぼ横ばいという結果となった。北浜氏は次のように語る。

「ソフトバンクは、いろいろな問題をはらんでいますから、上がってゆくと外資系証券のネガティブなレポートが出てきたりして、株価が抑えられることも多いのですが、この地合いを考えると、頑張ったほうかなという印象です。純増トップに躍り出るなど、かなり健闘しましたから、来年に持ち越しかな。ただ、私は株を扱う媒体のほとんどで書いてますから、その記事だけ取り上げられて『横ばいだった』と決め付けられるのは、弱っちゃいますよ(笑)。たとえば、年末の『東京スポーツ』では、東和薬品を推奨して、3850円(1月4日)から5030円(11月30日)になりましたし、年初の『夕刊フジ』だとソニーを推奨していて、5190円から、5月後半には7000円台をつけ、今は6010円と、当たった銘柄もたくさんあるんですよ」

では、来年にかけての、とっておきの銘柄を教えてください!

「フォスター電機かな。同社はアップルのiPhone向けイヤフォンなどの生産を手がけており、盛り上がっています。ただ、水準としては安く、これからも期待が持てますよ」

サブプライム問題という爆弾を抱えたままスタートする08年相場。当たるかどうかは別としても、素人投資家がやっぱり当てにしてしまうのが株価予想なのだった。

2007/12/17UP

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