日本一周の旅
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2009年7月

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2009.07.03

From:  orimasa

越前海岸
越前海岸2
写真:日本海の荒波寄せる特異な越前海岸


日本周遊紀行(206) 越前 「越前地方」

敦賀から福井・越前に入るには、越境山脈を超えなければならない。
ところで、現在の福井県の県域は若狭湾から北陸と呼ばれる三国町(現、坂井市)辺りまでをさすが、昔は若狭の国、越前の国と行政上の二国としての区分があったらしい。 
今の呼称としては若狭とか越前というのは余り言わないらしいが、愛称として、若狭、越前の代わりに越境山脈を境に嶺北、嶺南などと呼んでいるらしい。 即ち、鉢伏山を主嶺とした海側から山中峠〜木ノ芽峠〜栃ノ木峠の稜線より北東部を嶺北(れいほく)地方と、南西部を嶺南(れいなん)地方と称しているようで、この福井県の両地域は人や地域の気性(サガ)も異なると言われている・・?。
又、歴史的な経緯を見ても、明治4年の廃藩置県により福井県ができてから、現在の嶺北地方を福井県、嶺南地方を敦賀県に整理・分県された時期もあった。 その後(のち)、10年後の明治14年に其々分離統合されて、現在の福井県が設置された。 従って、往時の呼称、分県状況から越前即ち嶺北地方、若狭を嶺南地方と今でも呼んでいるようでもある。
 
北陸越前といったら一般には、この敦賀の山域を越えた今庄辺りから武生、鯖江、福井本庁から丸岡、金津あたりと、内陸部の大野、勝山あたりを指すのが普通である。 所謂、越前平野(福井平野)といって、肥沃な平地が広大に広がる地域で、日野川、足羽川、そして、あの九頭竜川が揉み合うようにして氾濫を繰り返し、その都度大量の土砂を置き去りにし、沖積平野を形造ったという。
この越前地区は、古来より越の国として人、物が頻繁に流通し、又、戦乱の相克が激しく興った地域でもある。 現在でも道路、鉄道、高速道が南北に駆け巡り、古来より変わらぬ交通の要衝となっている。 
尚、新幹線についても構想が進捗中で、長野から上越、富山、金沢、福井、敦賀、小浜を経て新大阪へ繋がる北陸新幹線が着々と進められている。 これによって何れは、北陸新幹線が東海道新幹線と・・、即ち、日本の中心地域である太平洋岸と日本海側が直結され、関東・北陸・近畿・中京・東海を環状に結ぶ高速交通ネットワークが形成されつつある。 

敦賀より発した国道8号線は、一旦、沿海を北上するが山中峠(トンネル)を抜け、河野村辺りで内陸の福井平野に至っている。 海岸線は敦賀北部の比田地区で分岐した国道305号線が走っている。 この越前海岸地域は、越前岬を西端に緩い「く」の字形で日本海へ突き出ている。 海岸線はいきなり聳え立つ山稜を呈し、急峻な海岸段丘や海食断崖が続いていて近年まで人跡少なく、陸路は永年交通の難所だった。 所謂、標高700m前後の「丹生山地」が、沿岸山地と内陸の福井平野を切り離すように壁が造られているのである。 

次回、引き続き「越前地方」


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2009.07.03 10:14:41

2009.07.02

From:  orimasa

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敦賀へ来たら、もう一言書かねばなるまい・・、原発のことである。
敦賀原発街道とも言われ、敦賀一帯は原発が多いところである。 敦賀原発、美浜原発、他・・、そして、高速増殖炉の『もんじゅ』と軒並み話題の多いところでもある。
そして、「もんじゅ」は原子炉設備の疲労破壊で金属ナトリウム漏れが発生し、運転停止してからもう10年以上になるがまだ動かない・・!。
 
ここで高速増殖炉と「もんじゅ」について・・、
原子力発電の原料とされるウランには、燃え易いウラン235(0.72 %)と燃えないウラン238(99.28 %)がある。 通常、ウラン235は容易に核分裂反応を起こすため、原子力発電に用いられている。
ところが、燃えないウラン238にも使い道があって、中性子を吸収することにより新しい燃料のプルトニウム239に変わる性質をもっている。この性質をうまく利用し、消費した以上の燃料を作り出すのが増殖炉といわれる。
即ち、プルトニウム239に効率よく変換することで、燃料を生み出すことができるという。 これを「増殖」といい、増殖によりウラン資源を有効利用できるとされる。

中性子の中に、エネルギー値の高い「高速中性子」というのがあり、これを利用してプルトニウムを更に「増殖」させることから、この原子炉を「高速増殖炉」と呼んでいる。
燃やした燃料よりも多くのプルトニウムが炉内で生成され、つまり発電しながら燃料が増えてゆくわけである。 この高速増殖炉を使うことによってウラン資源の利用効率が100倍以上と飛躍的に向上するともいわれる。
ウランを輸入に頼っている日本にとっては貴重な「国産燃料」が獲得でき、将来のエネルギー政策の本命と位置づけられている。
現在、敦賀市で試運転中の『もんじゅ』と云われる原子炉がそれである。(現在は休止)

しかし、それには単純ではない問題がある・・!、
普通の原子炉(軽水炉)に比べて非常に危険で技術的にも難しく、費用も高くつくとされている。 特に、冷却材として金属ナトリウムが使用されている。 これは熱伝導率が良く、高速の中性子を減速させない特性があり、現在のところこの冷却材が最適とされている。 だが、ナトリウムは水と激しく反応し、発火性が高い欠点をもっている。 
実験・開発中の増殖炉型原子炉では事故や故障が相次ぎ、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなど、先進諸国もすべて開発を諦めたという。

ウランを燃やす過程で、燃料のプルトニウムが生成され増殖する高速増殖炉・・!。
即ち『もんじゅ』は、水と激しく反応する「ナトリウム」を冷却材に使用している。
この原子炉は今だ研究開発の段階であるが平成3年4月、敦賀市に完成し、同6年4月に初臨界(原子炉内において核分裂連鎖反応が一定の割合で継続するようになること)を迎えた。 しかし、この炉は平成7年12月8日、試験運転中に冷却管の温度計のサヤが折れて約640kgのナトリウムが漏れ、火災が発生するという事故を発生させた。 この時、開発事業団の事故隠しや対応の遅れなど不透明性さが社会的批判を浴び、そのため現在は操業中止になっている。 
因みに『もんじゅ』の命名は、仏教の文殊菩薩に由来する。 文殊菩薩は「知恵の菩薩」とされる仏さんであり、高速増殖炉は高度な知恵が必要とされることから命名されたのであろうか・・?。


ところで、国内初となる原子の火が点ったのは半世紀前の1957年で、茨城県東海村に日本原子力研究所東海研究所の第1号原子炉において臨界に達してた。
その後、石油危機を経て、電力供給の安定が求められ、原子力発電所の建設が相次ぎ、現在は全国で50基以上の発電用原子炉が運転しているという。 その原発による電力量は日本の電力の約3分の1を占め、火力発電に次ぐエネルギー源となっている。
その中にあって、特に、福井県若狭湾に面した一帯は、原発関係の設備が集中立地して原発銀座と言われるほど多く、関西電力の電力構成に占める原子力発電の割合が他社よりも高くなっているという。 
現在、敦賀に二基(二基増設計画)美浜町に三基、大飯町・高浜町に各四基の計13基、営業稼動中であるという。 
その中に高速増殖炉・『文殊・もんじゅ』は、敦賀市の敦賀半島北端部に位置する、日本原子力研究開発機構の原子力発電所内にある。

次回は、越前海岸


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2009.07.02 09:31:42

2009.07.01

From:  orimasa

角鹿神社
写真:気比神宮摂社・角鹿神社(ツヌガ神社)


日本周遊紀行(205) 敦賀 「気比祭神と食霊の国」

古代・気比神宮において、仲哀天皇即位の時期(2世紀末)、日本は朝鮮との緊張状態にあり、天皇は即位してすぐに当社へ戦勝祈願の参拝をしている。 この時の主人公で女帝に順ずる「神功皇后」も同行して、三韓征伐の前に武内宿禰・玉妃命とともに当社に祈願している。このとき気比大神が玉妃命に神懸りして皇后の勝利を予言したという。 さらに三韓平定の後、皇后は子である誉田別命(後の応神天皇)らを従えて参拝したという。 
三韓征伐(さんかんせいばつ)とは日本書紀にも記述があり、神功皇后が行ったとされる朝鮮への(主に新羅・しらぎ)出兵をさしている。 新羅が降伏した後、三韓の残り二韓(百済、高句麗)も相次いで日本の支配下に入ったとされるため三韓の名で呼ばれ、新羅征伐と言う場合もある。 神功皇后が帰国の際、応神天皇を身篭っていたともされる。

気比神宮は、日本海を通じた敦賀と大陸との交流から、大陸外交に関する祈願の対象として大和朝廷も重視し、三韓征伐を前提として創建、鎮座したともされる。 神功皇后が仲哀天皇の命により敦賀から半島へ船出したという記述もある。
又、気比神宮は、若狭地方における御食の国(食の貢進国、すなわち皇室・朝廷に海水産物を中心とした御食料〈穀類以外の副食物〉を貢いだと推定される国を指す)、食霊(けひ) の総社ともいわれる。

気比神社の境内に、摂社として「角鹿神社」(ツヌガ神社)が祭られている。 
祭神は、都怒我阿羅斯等命(ツヌガアラシトノ命)とされ、元々、渡来の任那(みまな、にんな・朝鮮半島の南部地域、三韓の一部)の皇子であり、気比の浦に上陸してこの地方を治めていたとされる。 後に、都怒我阿羅斯等命は朝廷に貢物(御食)を奉じたことから笥飯大神とされ、気比神宮の司祭と共に敦賀の地に祀られた。 
敦賀の地名は、古代「角鹿(ツヌガ)」と呼称されており、元々、この地方を治め、地名発祥の神であった。 
応神天皇が皇太子の頃、角鹿(つぬが)にてツヌガの神から御食(みけ)を賜わったことから御食津大神(ミケツオオカミ)と讃えられ、笥飯大神(ケヒノオオカミ)としても崇められたという。 ケヒとは「食(け)霊(ひ)」の意味であり、即ち、「気比」の名の起こりとされる。 
つまり、応神が太子の頃、角鹿の地(敦賀)へ遠征された時、この地を収めていたされるツヌガの神と談判し、その結果この豊穣の地を譲り受け、土地の領有支配、物資(食料その他)の調達を認めさせたとされる。 即ち、大和朝廷の支配下に置いたということか・・??。 つまり、敦賀を支配していた角鹿の神(ツヌガアラシトノ神)は、応神天皇らによって支配下におけれ、気比大神の摂社になってしまったというのである。

気比大神は、地元の神・伊奢沙別命(渡来の神である都怒我阿羅斯等命か・・?)、この地から大陸へ進出したとされる仲哀と神功の夫婦、更に息子の応神天皇らによって大社として祭られ、開祖、造営されたとも言える。 
気比神宮は、古くから御食津神(食物を司る神)として、海の航海安全と水産漁業の隆昌、陸には産業発展と衣食住の平穏に神徳・霊験著しいとされて鎮座した。 尚且つ、渡来系の神であって、海人族に信仰されてきた神とされるという。
以来、越前国一宮として隆盛したが、南北朝時代には南朝に、戦国時代には朝倉氏に付いたことから社勢は一時衰退したという。 江戸時代になって福井藩祖の結城秀康(家康の次男、秀吉の養子)の保護を受けて再興し、明治28年(1895年)、神宮号が宣下されて正式に「氣比神宮」に改称され、官幣大社に列格している。

いずれにしても、古き良き時代の神社や寺院仏閣の成り合いを紐解いてゆくと、そこに必ずといっていい程、当時の日本の歴史の一端が垣間見えてくる、これが何とも面白く、愉快なのである。
  
次回、敦賀原発


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2009.07.01 09:30:44

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