以下は本日の日経記事である。
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米GM、「ハマー」ブランド売却でロシア資産家と交渉
【ニューヨーク=小高航】ロイター通信は13日、米ゼネラル・モーターズ(GM)が大型車ブランド「ハマー」について、ロシアの資産家オレグ・デリパスカ氏と予備的な売却交渉に入ったと報じた。ハマーは燃費効率の低さから米国では販売減が続くが、ロシアでは人気が高いという。
デリパスカ氏は傘下に完成車メーカー、GAZを抱えるほか、昨年にはカナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナルに出資した。ハマーはインドの自動車大手との売却交渉も取りざたされているが、GMは正式には売却方針を表明しておらず、交渉の行方は不透明だ。
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デリパスカ氏は同時にロシアアルミニウム社(以下RA)のCEOで、プーチン元大統領とも関係が深い、ロシアを代表するビジネスマンである。RAのアルミ生産量はアルコア社を抜いて世界第一位で、インゴットを大量に日本向けにも輸出している。
アルミニウムは自動車の軽量化には不可欠の原材料で、数千億円分のロシア製インゴットが日本で自動車に化けていると言う訳だ。
また、RAは既にGAZという国産自動車会社を傘下に収めており、GMからも生産設備を買収しようとしているのだろう。
元々RAを基盤としてのして来たが、グループとして自動車産業には一貫して興味を示している。完成車メーカーのみならず、部品メーカーもM&Aの対象としている。
元々RAが世界一のアルミニウムメーカーとなった背景には、シベリアの極めて廉価な電力(水力発電)を大量に使用出来たという経緯がある。つまり、RAはロシア政府が後ろ盾であり、その利権には、事前に関係者間でそれなりの「取り決め」があると言うことだろう。
デリパスカ氏はそういう背景を元にロシアのREP.(REPRESENTATIVE=代理人)として動いているのだ。そんなことはGMも百も承知であるし、分かっていても資産の分割売却に応ぜざるを得ない程体力を消耗しているのだろう。
彼らは将来、必ず日本の関係企業にも目を付けて来るはずである。そうして、一旦買収すれば豊富な資金力にものを言わせて個別の分野で世界NO.1を狙って来る筈だ。
つまり、ロシアが資本主義市場において、しかも従来その中心に位置していた自動車産業にM&Aを掛けて来たということだ。これはロシアだけではない、他の新興国資本も同様に触手を伸ばして来るだろう。
グローバルな資本主義社会の象徴的な活動とも言えるM&Aに、ロシアや中国が登場する。彼らは専門的な企業評価能力を持っており、且つ、実行力とスピードがある。大きくとも恐竜のようなアクションでは生き残れない。
日系企業も政府に頼っているようでは初戦駄目になる。タコが飢えに苦しんで自らの足を食べるような話である。本当のところは何も生み出していない。
そうは言っても最近では武田薬品のように巨額のM&Aを実行する企業も出てきている。日系企業の全てが駄目な訳ではない。三菱商事なども数十年来の事業家としての輝かしい実績がある。
無論、失敗もあるだろうが、小生から見て失敗よりも十倍も悪いのが無為無策ということになる。
ところで、上述のような巨額の事業投資やM&Aと比較すれば我々の株式投資など小さなアリのような存在である。が、精神としては企業であれ、個人であれ、投資は投資、その本質は同じものだと言える。将来に目を向けていないと(単に期近の利益だけを求めた売買なら)それは投資とは言えない、ギャンブルと同じである。

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