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著者プロフィール

保田 隆明

(ほうだ・たかあき)

ワクワク経済研究所 代表。
テレビ番組コメンテーター、各種執筆などを手掛け、やわらか系エコノミストとして活動中。
http://wkwk.tv
http://wkwk.tv/chou/

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※2007年11月以前の記事は「旧株ごころ/やさしいお金のはなし」にて連載の記事です。

資産運用商品では、「うまく行けば儲かる」のように「たら」「れば」系の商品は必ず売る側に有利にできています。つい半年ほど前は、「日経平均が15,000円を下回らなければ高い利回りが可能、ただし、15,000円を下回ってしまうと損をしてしまう」というような資産運用商品が結構多く個人投資家向けに売られていました。当時の日経平均は18,000円台であり、「これから2万円台もありうる!」と全体的に勢いがあった時期ですので、まさか15,000円を切るとは思わなかった人が多くいました。それがとうとう今週には15,000円を切ってしまいました。「たら」「れば」商品を買っていた人は損失を被る可能性が出てきました。

このように日経平均が事前に決められた価格にタッチすると損をする、または逆に利益が確定する商品はノックイン型、ノックアウト型商品と呼ばれます。これらは、通常の運用商品よりも利回りが高いのが売りですが、その分やはりリスクも高いのです。

また、最近「女性の間では変額年金保険が大人気なんですよ」と聞きましたが、これも「たら」「れば」商品です。

先に結論を言ってしまうと、保険と運用は分けて考えるべきです。保険も資産運用も一緒にできますよというのは、便利なようではありますが、世の中に存在する一つで二役こなせる商品というのは、大体どれも一つで一役こなす商品に比べると見劣りします。例えば、テレビとビデオが一緒になったテレビデオというものがありましたが、性能、機能面ではテレビ、ビデオそれぞれ単体で存在する商品に比べると見劣りします。

こういう一つで二役というのは、両方とも欲しいなと思っていた人にとってはまとめ買いをできるというメリットがあるわけですが、それ以外のメリットはありません。

変額年金保険は、毎年払い込んだお金が将来は資産となって戻ってくるものですが、戻ってくる資産額の最低保障がつくと同時に、運用がうまく行くと将来受け取るお金が大きくなるというものです。最低保証がついているので安心ですし、うまく行けば儲かる可能性もある、なんて聞くと心が躍ってしまいます。

しかし、これは、裏を返すと運用側にしてみると最低保障分さえ運用で確保すれば問題ないわけであり、これほど楽な商品はありません。最低保障をするからには、それの確保は間違いなくできるという商品設計にもともとなっているのです。

運用がうまく行けば儲かる、というのは、その部分は購入者にとってはブラックボックスなのです。掛け捨て定期保険のように、ブラックボックスを設ける余地がない商品だと、保険会社間で商品設計や価格設定に差をつけることが難しくなるので、自ずと価格の透明性が増します。しかし、ブラックボックスがあればあるほど、売る側に有利となります。

貯蓄から投資への流れが進むにつれて、リスクを許容する個人投資家が増えることで、一見儲かりそうな複雑な商品を金融機関は提案してきます。何事もSimple is the bestです。甘い話にはあまり釣られないようにしてくださいね。

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