サークルの紹介

 まだ知られていないポルトガルの魅力をお伝えします。
 今回は、リスボンとその周辺およびアレンテージョに行ってきました。

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地球の歩き方公式サイト
「悠久の海 郷愁の邨
リスボン・アレンテージョをゆく」 地球の歩き方公式サイト「悠久の海 郷愁の邨 リスボン・アレンテージョをゆく」

 2007年1月 

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 この取材と時を同じくして、「地球の歩き方」編集部員Sがスペイン〜ポルトガル鉄道横断の旅をしていました。
 その様子が、「地球の歩き方WEBマガジン・スペイン&ポルトガル鉄道旅行〜後編/ポルトガル〜」で詳解されました。

 こちらでご覧ください。とくに鉄道ファンの方は必見です。
http://www.arukikata.co.jp/webmag/2007/0701/sp/070100sp_top.html

●リスボン・オリエンテ駅からシントラへ
●シントラからロカ岬へ
●ロカ岬からカスカイス駅、リスボン・カイス・ド・ソドレ駅

 などは、この「悠久の海 郷愁の邨 リスボン・アレンテージョをゆく」と合わせてご覧いただければ幸いです。

シントラ [12]-[18]
 http://www.c-player.com/ac54952/thread/1100036697712 ほか
ロカ岬  [19]-[20]
 http://www.c-player.com/ac54952/thread/1100037070440 ほか
カスカイス(コスタ・ド・ソル) [21]
 http://www.c-player.com/ac54952/thread/1100037133140


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2007.01.24 13:40:03

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嵐の岬は、香辛料奪取への喜望峰であった

 自然観というもの。
 キリスト教では、創造主(=神)によって、人も自然も作られたもので確固たる 神>人>自然 という序列がある。ゆえ自然は人のために尽すもので、人によって管理されるものだとする。
 われわれ日本人の、神は自然に宿るとするものとは大きく違う。

 ヨーロッパを覆う森は闇であり、死の世界である。これを切り拓き、光を取り入れ、肥えた土に種を蒔く。家を建て、家畜を飼うこと、これが、カルチャーであり agriculture である。

 カシやブナの木が覆う森を拓いて生計を立てる。秋にそれらがドングリを落とすころ、豚を連れて行き、十分食べさせ肥えさせる。
 冬を乗り切る術がないので、屠ると肉は塩漬けにして保存する。その臭みを和らげるために必須なのが、コショウをはじめとする香辛料である。


 香辛料はインド周辺の作物で、イスラムや地中海商人により、ヨーロッパに運ばれていた。軽く、嵩張らず、厳格な保管の必要もなく、それでいて非常に高値で取引される理想的な国際貿易商品である。
 
 交易ルートを他に創って、それを手中に収めたい この野望が大航海時代を支えた本音である。

 そんな香辛料も、時代とともに、その価値は下がっていく。

 料理法が巧みになって肉の臭みが薄められるようになったこと、コーヒーや紅茶、チョコレートやタバコなど、他の嗜好品も食卓に並ぶようになったことなど、食事や料理の進化がその理由だが、もっと大きな要因は、飼料作物の普及であった。
 冬でも蓄えの餌を与えることで畜舎で越冬させ、食べる間近まで家畜を育てられるようになったことである。

 その飼料作物こそスペインが南米から持ち帰ったトウモロコシである。

 大航海時代を牽引したものが、自らが呼び寄せたルーキーにとって替わられたばかりか、その原動力すら壊されてしまう。


 こんな歴史をポルトガル人は知っている。ゆえのサウダーデである。
 
 またトウモロコシを、とうきび・唐黍 と書き、唐からの黍と称し、さらに、"もろこし" とは "唐土" なので二重に、中国伝来のありがたい作物と感謝したわれわれ日本人だが、「南蛮黍」とも称して崇めていることも忘れてはいけない。


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2007.01.14 23:23:12

 
 余談が多く本編が滞ってばかりである。

 さてこの記念碑。舳先にエンリケ航海王子が屹立して、大航海時代を拓いたヒーロー(お一人だけヒロインがおいでだ)たちが、右舷左舷に居並ぶ。
 以下は、入館時に渡されたリーフレットからのメンバー表になる。

(英文ママは、わからなかった人。
 ※2007/01/31 判明 04,05 を追記)

右舷。船尾から船首に向かって。
01 ペドロ親王(エンリケ航海王子の次兄)
02 ジョアン1世皇后フィリッパ妃(エンリケ航海王子らの母)
03 作家 フェルナン・メンデス・ピント(「東方巡歴記」の著者)
04 ゴンサーロ・デ・カルヴァーリョ(ドミニコ修道会・修道士)
05 エンリーケ・カルヴァーリョ(フランシスコ修道会・修道士)
06 詩人 ルイス・ヴァス・デ・カモインス(叙事詩「ルジアダス」の著者)
07 NUNO GONCALVES(画家)
08 GOMES EANES DE ZURARA(記録者)
09 PERO DA COVILHA(旅行家)
10 JACOME DE MAIORCA(宇宙構造学者)
11 PERO DE ESCOBAR(海洋探検家)
12 PEDRO NUNES(数学者)
13 PERO DE ALENQUER(海洋探検家)
14 GIL EANES(海洋探検家)
15 JOAO GONCALVES ZARCO(海洋探検家)
16 フェルナンド親王(エンリケ航海王子の末弟)

17番目が船首。エンリケ航海王子。ジョアン1世の三男である。

左舷。船首から船尾に向かう。
18 王・アフォンソ5世(ジョアン1世の孫「アフリカ王」)
19 ヴァスコ・ダ・ガマ(インド洋航海で有名な探検家)
20 AFONSO BALDAIA(海洋探検家)
21 ペドロ・アルヴァレス・カブラル(インド洋航海の探検家)
22 フェルディナンド・マゼラン(西回りで世界一周を果たした有名な探検家)
23 ニコラウ・コエリョ(ガマのインド洋航海時の僚船船長)
24 GASPAR CORTE REAL(海洋探検家)
25 マルティン・アフォンソ・デ・ソウザ(総督 インド副王)
26 作家 ジョアン・デ・バロス(歴史書「アジア史」の著者)
27 船長 エステヴァン・ダ・ガマ(ガマの従兄弟)
28 バルトロメウ・ディアス(バーソロミュー・ディアス)(喜望峰発見で有名な探検家)
29 ディオゴ・カン(海洋探検家 アフリカ航海)
30 ANTONIO ABREU(海洋探検家)
31 アフォンソ・デ・アルブケルケ(総督 インド副王)
32 フランシスコ・ザビエル(宣教師)
33 CRISTOVAO DA GAMA(船長)

※写真は左舷

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2007.01.12 18:09:15

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 10月19日 10:30

 ベレンの塔から東(上流)に歩くこと10分。帆船を模して河に突き出た高さ52メートルの建物がある。
 「発見のモニュメント」だ。舳先に、凛と背筋を伸ばして未来を見据える船長が立つ。カラベラ船(帆船)を抱いたエンリケ航海王子である。大航海時代ゆかりの王族、探検家、学者を右舷左舷に引き連れたこの建造物、王子没後500年を期して1996年に作られた。

 左右に廻って彫像を見るだけでなく、入場料(2ユーロ)を払ってエレベータで一気に屋上に登る。マリーナの展望台として四周の景観やハーバーを眺めるもよいのだが、真下を覗き込むのがここでのお勧め。繰り返し文様のモザイクも美しいが、航海時代、いつどこの国々に到達したかを描くタイル画の世界地図が鳥瞰できる。
 たいていの日本人が、列島の下の「1541」(年)を見て不思議に思う。鉄砲の種子島伝来が1543年(「以後よみがえる種子島」)、ザビエル来日が1549年(「以後よく広まるキリスト教」)と、調子よく覚えた中学時代の記憶に、自信がなくなるのだ。ユーラシアの西の果てまで来て、この喪失感はなんだ! と。

 実はこの記述、ポルトガル船が豊後国(現在の大分県)に漂着した史実に基づく。この時、領主の大友宗麟(義鎮 よししげ が本名)にカボチャの種が贈られた。

 余談である。まず、大友宗麟(1530-1587)。これから10年ほど後に、ザビエルと出会い、親書を持たせポルトガルに家臣を派遣している。貿易のためにキリシタンを保護していたが、次第にキリスト教に惹かれていき、50歳を前に洗礼を受ける。霊名 ドン・フランシスコ(普蘭師司怙)。
 1578年耳川の合戦は、ムシカ(理想郷の意。宮崎県延岡市無鹿町という)の建国を夢見たものである。また1582年の天正遣欧少年使節では、伊東マンショを名代として派遣した。その一方で、横恋慕や略奪したり、酒色に耽る、妻と離婚など横暴君主であったらしく、家臣が諌めたという記録が残っている。
 秀吉の九州征伐で、宿敵・島津に雪辱するため豊臣方に付き勝利、いったん失った豊後国を安堵されただけでなく、与えられようとしていた日向国を辞退したため「欲のない武将」と称される。が、実際は、いまさら領土ではなく、ゆとりや安らぎのほうを選んだからである。野心が枯れてしまって、晩節を汚さぬばかりか、後世までも褒め称えられることとなる。げに人生は難しい。

 寄り道ついでに。「カボチャ」という語はポルトガル語の Cambodia abobora (カンボジャ・アボボラ)の略されたもの。「カンボジアの瓜」の意である。逆に前半を略して、九州・山口では、ボーブラ、ボーボラ、ボーランなどと呼ぶ。「南京瓜」とも呼んだためナンキンというのもある。
 われわれもよく知る pumpkin は、おもてがオレンジ色のものに限られ、その他のカボチャは全て squash という。ただしこの区分は北米だけという。


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2007.01.11 00:03:44

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 10月19日 9:50

 河岸に、白く肌色をした大理石の古城が静かに佇む。司馬遼太郎さんがテージョの公女と称えた優雅な建物だ。海路リスボンに入る観光客の目で案内書を書くペソアは「テージョ川の宝石」と謳い、次のように賛美した。(前掲「ペソアと歩くリスボン」)

     この姿をはじめて目にした者はみな、独特の美しさに
     最初は驚き、やがてうっとりと見とれてしまう。
     建物を飾るレース細工、
     それも繊細なことこのうえないレース細工と見えるのは、
     実は緻密な石の彫刻である。

 ベレンの塔である。1983年に世界遺産に指定された。「サン・ヴィンセンテの砦」というのが正式な名称。サン・ヴィンセンテはリスボンの守護聖人。河口にあって海路より襲来する敵に備えた小さな城郭であり、実際、貴婦人でありながら、砲台も備え、銃眼もあり、侵入した敵には熔かした鉛を注ぎかける穴まで穿ってある立派な城である。

 少し、余談になる。サン・ヴィンセンテという聖人。その純粋性を示す白色と、カラスに守られてリスボンに入ったという言い伝えから黒色が、シンボルカラー。リスボンの街路の石畳が、白と黒のモザイク模様で描かれていることが多いのはこれが理由だ。

 余談をもうひとつ。ベレンという語のアクセント。ベレンの塔と書くと、べにアクセントのある ベれん【1】(第一音なので1と添書きする)と読みがちだ。
 実際の発音を聞くと、第二音であるレにアクセントがある べレん【2】。
 リスボンの高校生は、アクセントのない べれん 【0】と言っているかどうかは、あいにく確かめられず、定かでない。

 【1】のアクセント例 「エデン」「未練」
 【2】        「おでん」「日本」
 【3】        「暖簾」「味醂」

 1515年、絶対王政下のマヌエル1世の命で着工、5年後に完成したこの小城郭。敵の侵略を防ぐ要塞でもあったが、友好的に入港してくる船が座礁しないよう見守る灯台でもあっただろう。さらにもっと大きな役割は、未知の航海に乗り出す勇気ある船乗りたちの海路の安全を祈る女神像であって、時には財宝を満載して、あるときは命からがら瀕死で、いずれも船体は傷だらけで、生還を果たした男たちを抱擁する女神像であったのだ。

 1階は満干を利用した水牢(その以前は火薬庫)。2階はテラス、3階兵器庫と事務室、4階国王の間とバルコニー、5階食堂、6階王族の居室、7階はテラスという構造。(「ペソアと歩くリスボン」)
 現在では、上流からの土砂の堆積で次第に水面は下がって(河底が上がって)しまい、満潮時でも水牢部までは満たないように思える。


 優雅な容姿に隠された残忍な仕掛けを、「女の性(さが)」のようにいう向きも多いが、水牢に転用したのは後年。

 設計者フランシスコ・デ・アルーダが描いたのは、あくまでも貴婦人であったはずだ。天球儀、ロープ、珊瑚、貝殻、海草、錨など海洋大帝国にふさわしい意匠が特徴のマヌエル様式の代表的建築だが、四周にある丸屋根の醸す柔らかさが麗人らしさを最大限表現している。

 皇女が、レースをふんだんにあしらったドレスを着て、少しだけ膝を曲げてパートナーの挨拶を受ける。その白く細い指でドレスの先を少しだけつまんで、悠然と微笑みを返す。バルコニーの下に配されたロープのデザインは、皇女の袖や胸元を優しく絞るリボンなのである。



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2007.01.03 20:30:15

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