ロータリーが出たついでに書いておく。日本では駅前ロータリーなどの言い方で、多方向からの道路が交差するところをさすことが多い。
この一方通行の円周道路は、もともとは、馬車の往来を制御するため、鋭角のコーナリングや後退をすることができない馬車を滑らかに捌く仕組みである。ただしロータリー=回転式というのは、わが国での言い回しで、欧州では、Round about (ラウンドアバウト)という。ポルトガルでも、都市部の大きな交差点は、信号機のある普通の四つ角なのだが、幹線から支線に入って目的地に進入するところなどは、結構このラウンドアバウトを見かけた。減速はするものの、ここには止まらずに進入して、時には一周して(これは、Uターンの場合)出て行く。
信号待ちのイライラ感はないが、進入したとき、周回している先客に道を譲るというルールが徹底しないと成り立たない交通システムだ。
たぶん、日本で(世界でも、だろう)もっとも知られるファドの歌い手は、女王アマリア・ロドリゲスで、彼女の代表曲が「暗いはしけ」(原題は Barco Negro 黒い小舟)だろう。ベスト盤CDで聞いてみる。確かにこの曲は聞き覚えがある。だが、わたしの既視感は「Lisboa a noite リスボンの夜」という歌だ。50年近く昔の、セピアの色すら剥げかかった微かな記憶。
◆参照 「アマリア・ロドリゲス」(2006年12月7日(木) 10:00 UTC の版)『Amalia estranha forma de vida』 http://www.amalia.com/
ファド・レストラン Adega Machado (Rua do Norte 91 Bairro Alto)に向かう。ついさきほど下り上り歩いた、リベルダーデ通りの西側、バイロ・アルト Bairro Alto (=高い地区)の、カモンイス広場の近くでバスを降りる。8時過ぎだが、店内のお客は数人。広くはないがエンジと黒ベースの落ち着いた客席に、椅子がどれくらいあるだろうか、飾り気のない椅子が密に置いてあり、70-80人くらい入りそうだ。大衆酒場に近いが、わずかに高くなったステージと壁の絵が、ファドレストランだといっている。
このツアー好例の、メニュー撮影会が始まる。エプロンというより割烹着といったほうがぴったりのお母さんが給仕をしてくれる。定番メニューのカルド・ヴェルデ( Caldo Verde ジャガイモのとけた味噌汁のようなスープ)、バカリャウ・ア・ブラス( Bacalhau a Bras 鱈と玉葱、ジャガイモのおじや)、タコのサラダ( Salada de Polvo )などを撮影している。このおじや、もう一度他所でも食すが、卵でとじてあって、たいへんに美味い。そこではお米が多く入っていて、完璧に宴会の締めのメニューだ。
壁にかかるたくさんの写真。ご婦人はみなアマリアに見えるが、新旧いろいろなポートレートが飾ってある。モノクロのいい味が出ている写真は面白い。これはぼくの爺さんだ という客もいるのだろうな。